モンスターハンター 騎士の証明~65
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/04/12 10:20:23
【灼熱の渦中・2】
赤銅色の巨体を傾いでベリオロス亜種がユッカめがけて滑空してくる。後方からは土煙をあげて猛進してくるティガレックス亜種。襲われる恐怖に喉が干上がり悲鳴をあげそうになるが、ふるえる膝に力を込めて、ぎりぎりまでユッカはその場に踏みとどまる。
ごうっと風がうなりをあげた。ベリオロス...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【灼熱の渦中・2】
赤銅色の巨体を傾いでベリオロス亜種がユッカめがけて滑空してくる。後方からは土煙をあげて猛進してくるティガレックス亜種。襲われる恐怖に喉が干上がり悲鳴をあげそうになるが、ふるえる膝に力を込めて、ぎりぎりまでユッカはその場に踏みとどまる。
ごうっと風がうなりをあげた。ベリオロス...
【灼熱の渦中・1】
(ランマル、どうして……)
脳裏に蘇る大切なオトモの声に、ユッカは何度も問いを投げかけた。
――俺が奴らのオトリになる。だから、お前はただ目の前の敵に集中しろ。そして――。
次にランマルが告げた言葉に、それは嫌だとユッカが激しくかぶりを振る...
東京駅から新幹線でおよそ2時間半。
私は、東北のある町に降り立った。ホームの中からすでに寒く、外はさらに寒風が刺さるようだった。これはもっと厚着してくればよかった。私は襟を立てながら、客待ちのタクシーに乗り込んだ。
運転手にお願いして、噂のB級グルメを出す店に連れて行ってもらう。今回の旅は...
【砂原の夜、天幕にて】
「なんや、えらいことになってもうたなあ……」
寝床の上で大の字に身体を広げたショウコが、天井を眺めながら言った。ロジャー達が用意させたハンター用の天幕と寝床は、快適すぎるほどだった。
天幕の柱は草食獣ポポの大きな骨でできており、四方を覆う幕は...
【その孤高の背に言葉を】
「……ごはん、しゃめてしまいまちた……」
しょんぼりと、アンデルセンが言った。その声で、一同ははっとして手もとの皿を見る。温かかったシチューは、日没の冷え込みのせいでうっすら膜を張っていた。
「ああ、長話をしてすま...