モンスターハンター 騎士の証明~56
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/02/22 08:21:56
【騎士と狩人、一堂に会し】「ランマル、よかった、来てくれて……」
ユッカが涙を浮かべると、ランマルは笑みを深めた。
「泣いてる暇はニャいぞ。急いでここを離れるニャ!」
「うんっ!」
心強い味方に、ユッカは大きくうなずいた。ランマルは腰に下げたポーチから閃光玉を取り出す...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【騎士と狩人、一堂に会し】「ランマル、よかった、来てくれて……」
ユッカが涙を浮かべると、ランマルは笑みを深めた。
「泣いてる暇はニャいぞ。急いでここを離れるニャ!」
「うんっ!」
心強い味方に、ユッカは大きくうなずいた。ランマルは腰に下げたポーチから閃光玉を取り出す...
【砂まみれの希望】
2頭のモンスターは、相当に気が立っていた。棲み分けが確立しているのなら、自分より強い相手が来ると、すぐにその場を離れるものだ。だが、どのモンスターも互いに場を譲ろうとしない。縄張りに侵入してきた愚かな人間ともども、邪魔者はすべて排除しようという勢いだ。
「こっちよ!」
ユッ...
【背中を預けて】
乾いた大気を、巨大な翼持つ獣が体を傾けて滑空してくる。ベリオロスの特徴である長く伸びた朱色の犬歯を、ユッカははっきりと見た。とっさにポーチに手を突っ込む。最後のひとつが指先に当たり、迷わず手につかんでいた。
「やっ!」
岩場から飛び出すと、ユッカは手にした閃光玉を飛来するベリ...
【双璧のかけら】
ひとりと一匹の姿が完全に消えたあと、岩陰から黒い騎士姿が姿を現した。ボルトだった。
顔色は悪い。手にした双眼鏡を腰のポーチにしまい、浅い吐息をついた。
狩猟対象となるモンスター群が、あれほど強かったことは完全な誤算だった。急な事情での依頼であるが、事前調査をせずに通りすがり...
【分かたれた双璧・承前】
「危ないんはユッカも同じやろ? ウチの援護だけで、どんだけ弾つこてることか。しかもあんだけの敵や。な、あんただけが気にする必要ないって」
「でも……!」
ユッカは顔を上げなかった。ショウコを巻き込んでしまった引け目があるせいだ。ギルドを――ロ...