Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・189

 「おお、ここにおられましたか、ロラン王子!」
 若き近衛兵長のシルクスがロランを見つけて足早にやってきた。見知った顔にほっとして、ロランはシルクスに問いかけた。
「シルクス、僕はどうやってここに来たんだ?」
 シルクスは端正な顔をきょとんとさせた。
「何をおっしゃいます。歩いてここまでお戻りになら...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・188

第5章 悪霊の神々


【やすらぎの城】
 ハーゴンの神殿を目指して、ロラン達は雪に覆われた大森林を西へ歩いた。
 道すがら、ルナがロランとランドに話した。元はベラヌールで大神官の地位に上りつめたハーゴンが、いかに邪神官になり、邪教を広めていったかを。
「この世界が無力化している…&h...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・187

【手をつないで】

(真っ暗だ……)
 ぼんやりとロランは暗闇にたゆたっていた。
 胸の重苦しさは消え、 とても安らいでいた。自分へ向けた怒りや憎しみは、遠い過去のものとして胸に納まっている。
 ずっと握りしめていた骨の感触がない。無数の人骨で作られた呪いの剣は、右手から...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・186

「ロラン、立てる?」
 ランドがアークデーモンと渡り合っている間に、ルナがロランを助け起こそうとした。ロランは弱くかぶりを振った。
「力が入らないんだ……。動けない」
「剣の呪いのせいね。待ってて。今、薬を……」
 ルナの背後で断末魔が響く。ラ...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・185

「――いい声だ」
 嗤いを含む、くぐもった声がした。ロランは弾かれたように顔を上げ、その場に身構える。
 めきめきと灌木や木々を薙ぎ倒しながら、紫色の牛頭の悪魔がこちらへ歩んできた。アークデーモンである。
「これは美味そうな子どもだ。……泣いている子どもは好物でな。絶望し...

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