モンスターハンター 騎士の証明~51
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/01/19 09:45:55
【分かたれた双璧】
太陽が中天に座す下、泥沼を湛える狭いサバンナで、ショウコは両手で握ったハンマー【裏常闇】を豪快に振り下ろした。
「うりゃあああ!」
対峙するのは、土砂竜ボルボロス。水辺のある乾燥地帯に棲み、大型昆虫を常食とするが、縄張り意識が大変に強く、凶暴で知られるモンスターだ。全身から分...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【分かたれた双璧】
太陽が中天に座す下、泥沼を湛える狭いサバンナで、ショウコは両手で握ったハンマー【裏常闇】を豪快に振り下ろした。
「うりゃあああ!」
対峙するのは、土砂竜ボルボロス。水辺のある乾燥地帯に棲み、大型昆虫を常食とするが、縄張り意識が大変に強く、凶暴で知られるモンスターだ。全身から分...
【忠義のゆくえ】
「……今、この船はどの辺りにいる?」
簡素な寝台に腰かけた姿で、ガレンは目の前にいる白いアイルーに話しかけた。椅子に背を預け、腕組みをして瞑目していたランマルは、うっそりとまぶたを開けた。深い青色の瞳がこちらを見つめる。
「すでにエルドラ国上空だニャ...
【炎の中を飛ぶ鳥】
「うん……。ありがとう」
けれどユッカは、あまり嬉しそうではなかった。むしろショウコを気遣うように微笑んで、彼方の地平線へ目を向ける。
「明るくなってきたわ。そろそろ行かなくちゃ」
ショウコは何か言いたげに口を開きかけたが、ばつが悪そうに短めの髪...
【思わぬ邂逅・2】
心当たりはないかと問いかけるユッカのまなざしだった。ボルトはどう答えようか迷った。憶測でしかないが、心当たりはひとつしかなかった。
「……ボルトさん?」
「ああ、大丈夫だ」
ボルトは勇気づけるように微笑んだ。
「きっと戦った奴は、よほどの腕だろう...
【思わぬ邂逅・1】
(あ~、なんかいい匂いがする……。それに頭がなんだか気持ちいい……)
幸せそうに鼻をひくつかせ、ボルトはうっすらと目を覚ました。
「あ、気がついた!」
(え――?!)
鈴の音のような声に、ボルトはぎょっとして目を見開い...