アスパシオンの弟子71 白き魔人(中編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/11/14 13:40:45
あたりに舞い散る白い羽毛。 突き刺さってくる鳥たち。「おじいちゃんを置いていけない!」 叫んでいたのは、レモンだ。 バカな子だ。結婚したがらないのはなぜか知っていたけど、気づかない振りをしてたのに。 早く行け。行くんだ。扉の向こうへ。ほら、風を起こして押し出してやるから…&helli...
あたりに舞い散る白い羽毛。 突き刺さってくる鳥たち。「おじいちゃんを置いていけない!」 叫んでいたのは、レモンだ。 バカな子だ。結婚したがらないのはなぜか知っていたけど、気づかない振りをしてたのに。 早く行け。行くんだ。扉の向こうへ。ほら、風を起こして押し出してやるから…&helli...
癒しの技を受けたノミオスの呼吸は、ゆったり深いものに安定していった。 ローズとレモンの悲壮な表情が和らいでいる。ようやくのこと、怒りに任せて何もかもを破壊しそうな狂おしい雰囲気ではなくなった。たぶん俺の貌も、そんな感じに変化したんだろう。妖精たちが俺に安堵の微笑を投げかけてきてくれている。 「...
「あんたのおかげで恐ろしくペースダウンした!」 ついに泉の縁に這い上がり、ぜいぜいと息を切らせながら岸辺に寝転がった時。俺は泉の中で助けたそいつに文句を放った。 「す、すま……ぬ」 白い衣を着ているきれいなメニスだ。 鳶色で菫の瞳だから、フィリアのように人間との混血だろ...
「なめるな! 絶対ここから出てやる! ローズ、レモン、俺に引っ付け!」 俺は風船のように膨らませたおのが結界を、急いでさらに膨らませた。結界増幅装置のレベルはもう振り切れている。 俺が作った結界が俺と妖精たちとノミオスを包んだと思いきや。結界はいきなり破裂して、ぎゅうっと締まった。 「おじいちゃ...
辺りに充満する、甘い甘露の血の匂い。 目の前にぷるぷると、まっ白で細かい丸い粒が無数に浮かんで漂っている。 甘露。ノミオスの血の雫だ。 「ノミオスちゃん……」「ごめんね。ごめんね。もっと早く助けられてたら……」 赤毛の妖精たちがすすり泣...