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Sian

10月自作/ハロウィン・猫 「迎えのシ者」(前)

 目の前は、まっ白――。 雪。雪。雪。 雪だ。雪しかない。 空は一面雪雲に覆われていてこれまた白い。むろん気温はぶっちぎりの氷点下。 屋根に分厚く雪が積もったレンガ積みの営舎から、スコップを肩に担いだいかつい毛皮男が白い息を吐きながら外に出てくる。「騎士団長閣下、お疲れさまですっ」 建物のまん前の道...

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アスパシオンの弟子68 開戦(後編)

 箱の中にあるのは美しい大剣だ。柄には黄金竜の象嵌が施され、その先端には大きな赤鋼玉がひとつ煌めいている。 変な声の出所はそこからだ。  俺はため息をつきながら大剣を出して背に負った。 「赤猫ちゃん。だから剣の英雄スイールは死んじゃったって、前に言ったでしょ」  ソートくんが隠居してて本当によかった...

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アスパシオンの弟子68 開戦(前編)

 アイテリオンがエティアに魔王を放って滅ぼそうとしている理由。  十中八九それは、エティアが北五州を属州としたからだろう。  メニスの里である水鏡の寺院は、北五州のほぼど真ん中の地中にある。つまり白の導師は、自分のナワバリに迫られたと感じたのだ。  もともとソートくんとの契約で渋々国家として認...

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アスパシオンの弟子67 覚醒(後編)

 当事者のベイヤート殿下は――自省の念を込めて、歌劇団の責任者とアズハルの肉親へ謝罪の手紙を送ってきた。 『御祖父上、私はアズハルを必ず探し出し、我が側室として宮に入れ、その子を認知する所存です。こたびの一件をどうかお許しください』  肉親への手紙にはそう書かれていたが、俺は子供が無事誕生している...

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アスパシオンの弟子67 覚醒(前編)

 我が師アスパシオンはマミヤさんが双子を産む八年前、すなわち7337年に生まれた。 白鷹家のビエール王国がエティアの傘下に入って十七年目のことだ。 王から大公に変わって二代目の当主は、スメルニア人の正妻の他に側室を数人娶っていた。しかし我が師の母親はその妾たちの子ですらなく、当主が気まぐれに手をつけ...

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