モンスターハンター 騎士の証明~27
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/09/11 00:32:30
【災厄の余震・2】「後をつけて来たのですか。それとも、待ち伏せていた、の方が正しいでしょうかね?」
ロジャーの問いに、十数名の兵士と太った商人を引き連れた若き将軍は、苦く目を伏せた。
「モンスターが入ってこられない横穴で待っていた。貴殿なら、きっとここを突き止めると思ってな」
「お前、俺達をだまし...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【災厄の余震・2】「後をつけて来たのですか。それとも、待ち伏せていた、の方が正しいでしょうかね?」
ロジャーの問いに、十数名の兵士と太った商人を引き連れた若き将軍は、苦く目を伏せた。
「モンスターが入ってこられない横穴で待っていた。貴殿なら、きっとここを突き止めると思ってな」
「お前、俺達をだまし...
【災厄の余震】
瀕死のハプルボッカが辿り着いた先は、切り立った岩山に空いた洞窟だった。まるでモンスターの口よろしく横長に広がった闇を覗きこみ、ボルトが中の様子を窺う。
「モンスターがねぐらにしてるってことは、中に光源があるってことだよな」
「ああ。しばらく進めば、どこか縦穴があるだろう。&hel...
【ナイトの本分】
プロとしての自覚を忘れていた。
どうして一瞬でもそんな気持ちになったのだろうと、ロジャーはひどく己を恥じる。
(ギルドナイトの心得、それは、いかなる状況でもモンスターへの尊厳を忘れないこと)
獲物を捕らえ損ねたハプルボッカが、いったん動きを止める。そこへロジャーは果敢に詰め...
【初心、忘れるべからず】
ハプルボッカの正式な二つ名は、『潜口竜』である。まさしく体を名で現したものだが、一般人には『大口の悪魔』で通っている。
無数の牙を持つ巨大な口が凄まじい勢いで砂塵をかきわけ、こちらへ向かって来る様は恐怖のひとことだ。
短い手足から想像もできないスピードで、相手を喰ら...
【大口の悪魔】 モンスターと人間の戦場をあとにすると、ロジャーとボルトは再び砂原地帯へと歩き出した。まずはそこに出没するという、ハプルボッカを狩るためだ。
悲惨な光景を目にして、心に重くのしかかるものはあったが、お互い顔には出していない。ボルトはむしろ、迫る狩りが待ち遠しい様子だ。彼は喜怒哀楽が激...