Nicotto Town ニコッとタウン

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Sian

氷の女王 4

 その晩。サリスはおずおずと師の部屋に入った。  もらったスケート靴を抱きしめて、しかし、首をわずかに傾げながら。 「日が暮れたら、氷の女王が消えたと……大食堂で聞きました。夜なのに、湖が溶け始めてます」  師はにっこりしながらうなずいた。 「夕刻の風編みで、導師たちがい...

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氷の女王 3


「え? 代わりにお師さまの世話係になってくれ? どうして?」   突然図書館に来たサリスに、一番弟子のラデルは面くらった。  金髪の子は、朝餉のあと必ず書物を漁る兄弟子のもとへ、逃げ込んだのだった。 「僕には無理です。見えないし、予知もできませんから」 「サリス? 透視できなくたって、何も問題...

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氷の女王 2

 師は目を細めて、じっと一番弟子の衣をみつめた。 「ほう……〈大陸軍法の判例及び事例集〉……?」 「あ、はい。そうです」  一番年上のラデルは、衣のたもとから巻物をひと巻出してみせた。  「お師さまが今日ご講義される大スメルニアは、現在、極東の...

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氷の女王 1

 Regina  illa  Glasialis ――氷の女王――
 目を閉じれば、見えてくる。  果てなきましろの、氷の鏡面。  微動だにしない水平線は、蒼き空と溶け合いて。  こおこおゆらゆら、つめたい炎をあげている。  吹雪はぴたりと止んでいて。  空には雲ひとつなくて。 ...

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自作9月『四元素』 「巡礼者」2/2

 ウサギさん曰く。その赤毛の方は〈大地の大神殿〉でも、神殿の宝物に興味を示したそうです。「あいつ、大地の大神官にもかけ合ったみたいなんだよな。〈聖なる樹の苗〉を貸してくれとかって。死者の声を代弁してくれるって、案内帳に書いてあるやつ」「でもおいそれと、神殿の秘宝を貸すわけにはいきませんでしょう? 断...

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