7月自作/砥石 『開けるな危険』 (前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/07/28 20:03:33
シュッ シュッ シュッ シュッ 砥ぐ。砥ぐ。黒はがね。 シュッ シュッ シュッ シュッ 砥ぐ。砥ぐ。銀の床。 「なんか、刃がつかないなぁ」 出刃包丁をしげしげ眺め、青年は首を傾げる。白いエプロン、白い帽子。赤いネッカチーフ姿で、途方にくれたように空を仰ぐ。 夕闇迫る天は銅(あか...
シュッ シュッ シュッ シュッ 砥ぐ。砥ぐ。黒はがね。 シュッ シュッ シュッ シュッ 砥ぐ。砥ぐ。銀の床。 「なんか、刃がつかないなぁ」 出刃包丁をしげしげ眺め、青年は首を傾げる。白いエプロン、白い帽子。赤いネッカチーフ姿で、途方にくれたように空を仰ぐ。 夕闇迫る天は銅(あか...
泉? 泉とは一体? それよりも、僕を救ってくれる人なんているのでしょうか。こんな大失敗をかました僕を、許してやろうなんていう奇特な人なんて。 あのおかしい我が師でさえ、呆れ返っているんじゃ? だから、影も形もなくだんまりなんじゃ? それとも白の導師に完全におかしくされた? ...
「閣下。この件を収めるために、大陸同盟会議が召集されました。閣下はこれより大陸同盟の預かりとなり、国際裁判を受ける事になります。どうか、お覚悟を」 扉ごしのホニバさんの言葉に僕は震え上がりました。 なんという事態。よもや大陸同盟を引っ張り出してしまうなんて……。...
フィリアの家で着たことのある灰色の衣。 なぜそれを身にまとう夢を見たのかというと――。 翌朝、僕らメキドの一団は、ロルとコルを迎賓館の部屋に置いたまま、交渉場所へ赴きました。 そこは都の外れの山腹にせり出している平地にあり、ふしゅふしゅと屋根のあちこちから蒸気が噴出している建物で、「...
ふしゅううう ものすごい音をたてて雨空に立ちのぼる、巨大な間欠泉。 湯けむりの中で、おお、と感嘆の声をあげる裸の僕。 と、裸の巨人のおじさんたち。 ふしゅううう 数分に一回、温泉のそばの泉から熱い水柱がたちのぼります。あっちもこっちも、そんな泉だらけ。 しかし温泉て、本当...