モンスターハンター 騎士の証明~2
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/05/29 09:25:12
【ギルドナイト・2】
――よし、今だ!
完全にナルガクルガをしとめ、二人が背を向けた瞬間、男は身をひるがえして走り出そうとした。
だが。
「――っ?」
「そこまで」
数歩と走り出す前に、どこから現れたのか、一人の深紅の服に身を包んだ長身の青年が、にっこりと微...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【ギルドナイト・2】
――よし、今だ!
完全にナルガクルガをしとめ、二人が背を向けた瞬間、男は身をひるがえして走り出そうとした。
だが。
「――っ?」
「そこまで」
数歩と走り出す前に、どこから現れたのか、一人の深紅の服に身を包んだ長身の青年が、にっこりと微...
【ギルドナイト・1】
――ここは、人間の入っていい“世界”じゃない。 息がつまるような濃い草いきれの中を転げるように走りながら、男は激しく後悔した。
狩れると思っていた。4人でのパーティだったから、今度も楽勝だと思っていた。
し...
年の瀬のある日のこと。
僕は、およそ3か月ぶりに、枕カバーとシーツを洗うことにした。
事件は、その時に起こった。これは、その話。
僕はまず、枕カバーの取り外しにかかった。長いこと洗ってなかったカバーからは、古い自分の匂いがした。
空気を入れ替えるために全開にした窓から、清々しい冷気が室...
【そしてまた、前へ】
「ユッカ~、もう元気だせよ……」
背を丸めてふさぎこむ妹に、グロムは困り果てていた。
街を出てからずっと、ユッカは元気がない。村に戻っても、こうして思いつめたように溜息ばかりついている。両親も心配し、ミーラル達も同様だ。
ここは兄として相談に...
【英雄は語らない】
ユ~クモ~よいとこ~、一度はおいでェェ~。
はらはらとモミジが舞い散る露天風呂。空は高く澄み切って、山の清涼な空気が、ほてった肌を優しくなでていく。
眼下には絶景。ユクモ山岳は今が紅葉の盛りとあって、まるで錦絵のような美しさだ。
朝から風呂を独占し、ご機嫌なだみ声をと...