モンスターハンター 勇気の証明~五章 32
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/10/30 23:08:28
【決着】
「ランマルはん、ウチらこのまま手ぇこまぬいててええんやろか?」
「ギルドの規則では、船員アイルーは狩りに手を出すべからず、と言われているけどニャ……」
訴えるように見つめるコハルに、ランマルは不敵に笑いかけた。
「そんなの、緊急事態には意味ないニャ。死んだら...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【決着】
「ランマルはん、ウチらこのまま手ぇこまぬいててええんやろか?」
「ギルドの規則では、船員アイルーは狩りに手を出すべからず、と言われているけどニャ……」
訴えるように見つめるコハルに、ランマルは不敵に笑いかけた。
「そんなの、緊急事態には意味ないニャ。死んだら...
【起死回生】
巨体に見合わぬ小さな前足で、ジエン・モーランはゆっくりと地面を這い、前へ、前へと進んでいた。小さいといっても、人間には巨木のような前足である。一歩がとにかく大きく、まるで小さな山が移動しているようだ。
「奴の弱点は前足だ! 堅殻(けんかく)が剥がれるまで叩け!」
教官が怒鳴り、腰...
【砂上の決戦】 時間は、ゆっくりと流れている。
あれから一日経ったのはわかっている。でも、誰もそのことを口にはしない。皆、疲れた面持ちで砂の上や甲板に座り、マントに顔を埋めて、いずれ来る戦いをひたすら待っていた。 ロックラックの街から数キロ離れた所に、砂止まりと呼ばれる、流砂がない場所がある。
...
【かつてない危機】
細かな砂にけぶる空間は、もはや地平線と空の領域があいまいだ。しかしはっきりと、コハルが示した方向にジエンの影が浮かんでいた。
「奴はこちらを意識している。距離が縮まればすぐに攻撃してくるだろう。いつでも回避できるよう備えておけよ」
教官が船首に立って言った。
思わず船尾を...
【ミーラルの理由】 教官がおおげさに言うまでもなかった。船首には可動型の巨槍(きょそう)が装備されている。名を撃龍槍といい、大銅鑼と同じくハンマーでスイッチを叩いて起動させる兵器だ。
対古龍兵器の花形であり、たとえ巨大なモンスターといえども、この一撃を食らって無事な者はいない。
「今までのは前哨戦...