モンスターハンター 勇気の証明~五章 22
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/10/25 12:33:21
【ジエン・モーラン】「で、でけえ……!」
右舷から前方30メートル先をゆうゆうと泳ぐ巨体に、グロムは最も月並みで、最もふさわしい感嘆をもらした。
「ジエンの全長は平均100メートル弱だが、こいつはその倍――200メートルもある。さすがヌシといったところだな」
「に、20...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【ジエン・モーラン】「で、でけえ……!」
右舷から前方30メートル先をゆうゆうと泳ぐ巨体に、グロムは最も月並みで、最もふさわしい感嘆をもらした。
「ジエンの全長は平均100メートル弱だが、こいつはその倍――200メートルもある。さすがヌシといったところだな」
「に、20...
【ミーラルの挑戦】
「不安? 珍しいな、お前が人前でそんなこと言うなんて」
からかうミーラルに、グロムは噛みつくように言った。
「誰のせいだと思ってんだよ? 俺の頭痛の種は半分お前のせいだってわかってんのか?」
「はあ? それはお前にそっくり返したいんですけど~?」
「ちょっと、二人とも、ケンカ...
【見送りは一人】
シン様、カッツェ――。
ランマルはうつむいて、ぎゅっと目を閉じた。つぶやいた名は、彼の初代主人と、同時に砂原で亡くした仲間アイルーの名だった。
ユッカはかける言葉が出なかった。せめて、震える小さな肩に触れて慰めてあげたいと思ったけれど、それもためらわれる気がした。
「――勝...
【いざ、砂原へ】
「さあさ、座って座って! グゥちゃんも来てるわよ!」
酔客の遠慮のない笑い声と喧騒にも、アリスの嬉々とした声は澄んで響いた。
「グロム、やっぱり来てたのか」
「お、おぅ」
一番奥まった片隅のテーブルで、グロムは体裁が悪そうに、ミーラルに片手を上げてみせた。その様子を見て、ミー...
【祭りの夜】
年に一度の峯山龍祭りとあって、日が落ちても街は人でごったがえしていた。出店には灯がともり、そこかしこから食べ物の良い匂いや、ハンター目当ての呼び込みがひきをきらない。
本部を飛び出したグロムを追いかけてここまで来たものの、あまりの人の多さに、ユッカとミーラルは後ろ姿を見失ってしま...