モンスターハンター 勇気の証明~五章 12
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/10/01 12:17:25
【往くもの、残るもの】「――と、いうわけで、ジエン狩りへの志願者を募る次第である! 希望者は元気よく手を挙げるように!」
「……何が、と、いうわけで。なんだよ……」
ユクモ村の訓練所内で、教官を前に、グロムがぼそっとつぶやく。昼下がりの白い日...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【往くもの、残るもの】「――と、いうわけで、ジエン狩りへの志願者を募る次第である! 希望者は元気よく手を挙げるように!」
「……何が、と、いうわけで。なんだよ……」
ユクモ村の訓練所内で、教官を前に、グロムがぼそっとつぶやく。昼下がりの白い日...
【召集】
「まあ、座りたまえよ」
深夜、ユクモ村のハンターズギルド支部。その支部長室で、教官は小柄な老人に座布団をすすめられた。一見酔いどれの獣人に見えるが、彼こそはこの部屋の主なのである。
東洋の文化が色濃いこの地では、椅子とテーブルよりも、こうして床に座る風習が根付いている。は、と短く返事...
【腐れ縁・承前】
千鳥足の教官に肩を貸したユッカと、提灯を持ったランマルが歩いてきた。どうやら、酒場で酔いつぶれた教官を自宅に送る役目を、ミランダに仰せつかったらしい。
大の男を引きずるようにしてやってきたユッカは、グロムとミーラルを見つけて目を丸くした。
「お兄ちゃん、どうしてここに? 帰っ...
【腐れ縁・承前】
「そんなにどもるな」
思わず腰を抜かしてしまったグロムに、ミーラルは番傘を差しかけた。
「濡れるぞ、そんなとこに立ってると。……って、もう濡れてるな」
「ミーラル、なんでここに……」
「ここ、私んちなんだけど?」
酒場で...
【腐れ縁・承前】
「ショウコ~、いるか~?」
ショウコの家の前に立ち、グロムが呼ばわってドアを叩くと、間をおかずに本人が出た。
「は~い、ちょい待ちや……って、なんや、グロムはんか」
グロムを見た途端、ショウコは眉をひそめた。夜に男が女の家にいきなり来たから、気分を...