モンスターハンター 勇気の証明~五章 02
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/09/14 15:54:50
【酒場での再会】
「おかえり。どうやら、無事に狩れたようだね。お疲れ様」
「はいっ。ただ今戻りました!」
背に弓を背負ったユッカが、ミランダのいるカウンターまで小走りに寄って来た。その後を、武装したままのグロムとランマル、それにケマリがついて来る。
ケマリは、もともとミーラルの父のオトモアイル...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【酒場での再会】
「おかえり。どうやら、無事に狩れたようだね。お疲れ様」
「はいっ。ただ今戻りました!」
背に弓を背負ったユッカが、ミランダのいるカウンターまで小走りに寄って来た。その後を、武装したままのグロムとランマル、それにケマリがついて来る。
ケマリは、もともとミーラルの父のオトモアイル...
【男とは】
ひとり寂しく飲む夜は
せめて雨でも降ればいい
酒の肴がないのなら
雨だれの音を友にしよう
物悲しいメタルバグパイプの音が流れている。客のほとんど帰った酒場の片隅で奏でているのは、流しの『笛吹き』だ。
普段は狩猟笛を使うハンターとして生計を立てるが、音楽好きの彼らは、こうして酒場な...
喧騒は、決して蒼雪の集中を途切れさせることはなかった。むしろ、賑やかな人の群れの中にいると、自分が埋没するかのような安心感を覚える。
「揚げだし豆腐お待ちのお客様ぁ~!」
「はいはい、こっちですぅ~!」
和やかな声は、女将のそらだ。明るい女性客が賑わう座敷に、盆に載せた料理を運んで行く。
いそ...
【旅立ち】
『や~いや~い。お前の母ちゃんウラガンキン~!』
『やめてよ~! お母さんはウラガンキンじゃない~!』
泣きながらユッカが訴えても、村の悪ガキ達は、はやし立てるのをやめない。
“お前の母ちゃんウラガンキン”とは、異国では“お前の母ちゃん出べそ&rd...
【勝利、そして】
痛む足をひきずり、ユッカはジンオウガの骸(むくろ)に近づいた。
つい先刻まで暴威をふるっていた巨躯からは、ぽつぽつと青白い光が宙へ昇っている。
宿主に見切りをつけた雷光虫なのだが、ユッカには、それが雷狼竜の命のかけらに見えた。
死に顔は、穏やかだった。薄くまぶたが開いているが、と...