アスパシオンの弟子36 薔薇乙女一座(前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/03/12 00:49:48
どこ? フィリアはどこにいる? 押し入った建物の中は暗く、目の前にあるのは奥まで続く長い廊下。 両脇にアーチ型の扉が向かい合う壁があり、灯りのついている奥間には幾人もの人影。 奥は広間のようになっているようで、濃い桃色の照明に照らされ、空気が赤く見えます。 その中にかなりたくさんの...
どこ? フィリアはどこにいる? 押し入った建物の中は暗く、目の前にあるのは奥まで続く長い廊下。 両脇にアーチ型の扉が向かい合う壁があり、灯りのついている奥間には幾人もの人影。 奥は広間のようになっているようで、濃い桃色の照明に照らされ、空気が赤く見えます。 その中にかなりたくさんの...
何が起こったのか、一瞬わかりませんでした。 僕の視界に映ったのは、手のひらの上のコマを高く掲げ上げる老婆の姿。 ずしゃりと彼女の足元に落とされた僕の鼻先に、そのコマがつきつけられました。 しわくちゃの手の中でそれは金色にぐるぐる回転しています。信じられないことに、少しだけ宙に浮いて。...
「待って!」 運搬車の荷を置いて、鉄兜の少女はフィリアを連れて一体どこへ?心配して振り返ると、荷台には同じような鉄兜を被った男たちがたくさん群がって、えっほえっほと物資を下ろしています。 どうやら少女と同じ組織の者たちのようです。 運転士はどこに行ったのかと聞いてみたものの、男たちは邪魔だ...
――「ふうん、あんたたち、ずいぶん北から来たんだねえ」 しゅかしゅか噴き出す蒸気。回転する巨大な車輪。流れていく緑の視界。 きんきんと金属音を立てながら「運搬車」が緑のトンネルを走っていきます。 先頭の操縦席で胡坐を崩して振り返ってくるのは、円い鉄兜を被った少女――。 「まあ、あんた...
そよ、と吹き抜ける風。 頬に当たるほのかな熱。 日が当たっているのだと思ってうっすら眼を開ければ…… 「うわ? これ、木?」 ここは――どこ? あたり一面、緑。緑。緑……! 僕は驚いて跳ね起き、天を仰ぎました。オリハルコ...