自作9月『四元素』 「巡礼者」1/2
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/09/29 12:28:00
いらっしゃいませ巡礼者の方々。長旅、お疲れさまでございました。 どうかゆるりと、この〈水の大神殿〉でお休みください――
私がいつものように石門のところでみなさまにご挨拶をしておりますと、次々やってくる人々の中でとことこぴょんぴょん。長い耳のかわいらしいものが飛び跳ねながら、近づいてきまし...
いらっしゃいませ巡礼者の方々。長旅、お疲れさまでございました。 どうかゆるりと、この〈水の大神殿〉でお休みください――
私がいつものように石門のところでみなさまにご挨拶をしておりますと、次々やってくる人々の中でとことこぴょんぴょん。長い耳のかわいらしいものが飛び跳ねながら、近づいてきまし...
今回は猫目さん視点のお話です
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その玻璃のごとき煌めきの表面は滑らかで、少しの瑕もなく。
一体どんな風にして磨き上げたものなのか、不思議に思われるのですが。
「この中に、いらっしゃるというのですか?」
私はじいと、我が猫...
ひゅああーん。あーん。 闇に沈む回廊に、黒いかたわれの声が響く。「白い僕。僕はいつも君と話し合い、笑い合い、愛し合いたい。時を止めたら、それができなくなるんだよ?!」 僕はシーリーンが動かなくなったキルシュを撫でながら公爵に囁いているのを聞いたと、黒いかたわれは歯ぎしりした。「体はあなたにやるけれ...
これは心の底から望んだことだと、その子は思った。 この切なる願いがきっと叶うと。 「僕と僕」がひとつでいたときの絆がまだあるうちに。 「僕と僕」の距離がまだ遠く離れてしまわないうちに。 離れ行く互いの姿がまだ見えているうちに。 あの方のお力に身を委ねれば、この無情に流れゆく時は止まる。 ...
「ほうほう。岩窟の寺院出身の者をご存じかね?」「はい。約一名だけですけれど。アスパシオン、という名の人を」「……ぐへぶ!」 えっ?! だらだら兄弟子がいきなり噴いた? やだちょっと、背中にしぶきがかかったわよ?「おお……! わしのハヤトを知って...