アスパシオンの弟子33 昼下がりの庭園(後編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/02/14 22:52:12
「……それで我が娘ローズマリイ・マーガレット・サクラコよ。三人とも倒したわけだな」 あたくしはおずおずと指を二本立てて、駆けつけてきたお父様にお答えしました。「二人、ですわ」 あたくしたちの足元には、気絶した侵入者が二人。それから、今にも死にそうな針金のように細...
「……それで我が娘ローズマリイ・マーガレット・サクラコよ。三人とも倒したわけだな」 あたくしはおずおずと指を二本立てて、駆けつけてきたお父様にお答えしました。「二人、ですわ」 あたくしたちの足元には、気絶した侵入者が二人。それから、今にも死にそうな針金のように細...
今回は幕間、王妃様視点のお話です。
気だるい午後ですこと。 目の前の池から爽やかな風が吹いてきてますけれど、焼け石に水ですわね。 池の岸辺に置いた寝椅子(びいちちぇあ)は絶妙な角度。可憐な桃色(しょっきんぐぴんく)の薔薇柄の薄絹しいするうをまとって、しどけなく針金のような白い素足をさら...
「要するに、弟子じゃなくなればいいんだ」 我が師は自信満々で変身術の韻律を唱えました。 その呪文の言葉はまさしく、ウサギに変じさせるもの。 なるほど、「今の僕」でなくなれば、メニスの支配の力は及ばな―― 「あれっ?」 「あ、だめみたいですね」 「うそおおおっ」 長い耳も白い毛...
フィリアにもらった右手は素晴らしいものでした。 素材は灰色の導師が創る鉄の鳥と同じもの。白銀と数種類の特殊な金属が混ぜ込まれた合金で、工房にたくさん在庫があったそうです。 「この金属は有機体とすごくなじんで、自動的に神経を繋いでくれるの。それにしても ここにある工房はすごいわ。どん...
~Caelis DelphinusⅡ~ ソラのイルカ②
紅色の大地がどんどん近づく。着地点まであと何ペース? だめだ。計算できない。緊急救難信号――だめだ。出せない。 脳の一部を貫かれたらしい。 俺は、つぶれるのか。俺の動きは止まるのか。 大地が目前に―― &helli...