アスパシオンの弟子27 歌柱(前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/11/27 22:41:35
真っ白くまばゆい閃光が僕の目を焼きました。 光が四方に飛び散り、ゆっくり周囲に溶け込んでいったあと。 視界にようやく、じわじわと無残な光景が浮かび上がってきました。 ぽっかりあいた大穴。 穴の先にべったり広がる宵闇。 大きく破壊された木の洞から、外の寒気がびゅうびゅう流れ込んでいます。...
真っ白くまばゆい閃光が僕の目を焼きました。 光が四方に飛び散り、ゆっくり周囲に溶け込んでいったあと。 視界にようやく、じわじわと無残な光景が浮かび上がってきました。 ぽっかりあいた大穴。 穴の先にべったり広がる宵闇。 大きく破壊された木の洞から、外の寒気がびゅうびゅう流れ込んでいます。...
『かしこい。かしこいぞ、師の体に入った少年よ』 籠の中のバーリアルはしゅうしゅうと息をたっぷりふくんだような声で褒めてきました。 『そなたはおろかではない。我はそなたのしもべになろうぞ。そなたこそ我が主。我が王』 甘ったるい声がざわざわと僕の体にまとわりついてきました。 『特別に教えて...
ちりちりり 広い広い洞窟のような大樹の洞の中。鉄でできたムクドリたちが、ぴんと張られたつる草にとまって機嫌よく鳴いています。 ちりちりり 突き出たでこぼこのくぼみにも、たくさんの鉄の鳥。 洞の入り口から鳥たちがせわしく出入りして、様子を見に来ては帰っていきます。 鳥たちの間でまた、「ニュース!」...
『師匠! これおいしいっすね。なんですか?』 『ほうほう、雲のウィンナコーシーじゃ。うまいじゃろ』 『うまいっす! 最高っす!』
白い雲間に白い髭の翁がいます。ふわふわの雲にちょこんと座ってニコニコ顔です。 雲のテーブルの向かいには虹色の人の形をしたものがいて、やはり雲の椅子に座っています...
あまりの事態に僕は愕然としました。 我が師の体に僕が入ってしまうなんて……。 うろたえおののく僕に、兄弟子さまは洞窟の岩にどっかり腰を下ろして仰いました。 「ここは湖の都からだいぶ北の山中だ。本気出して飛んだから、金獅子家の軍は追いかけてこれねえはず」 湿った洞窟は...