Nicotto Town


しだれ桜❧


 

刻の流れー141

梶は次の朝 事務所から電話をかけていた「よし その家を見せてもらおう」どうやら条件に合う物件がありそうだ
こめかみに指を当ててため息をつく大体のレイアウトは組み立てれたが 思い通りにいくかどうかいつもの自信が微塵もない
次に 梶は要を呼び出したしばらく待つと ドアがノックされ 要が入ってきた
「要 ...

>> 続きを読む


刻の流れのー140

「自然死に見せかけろ」梶は石橋のその一言に悩んでいた自然死した証拠を残せということださすがに基地司令官が他殺だと大ごとになる
完全犯罪とは 普通は死体をなくす事拉致して強アルカリ液に放り込めば すっかり溶けて何も残らないのだが・・・完全犯罪とは正反対のことをしなくてはならない
梶にしては珍しく顎に手...

>> 続きを読む


刻の流れー139

石橋は一人窓に佇んで考え事していた。そこへドアがノックされた
「梶です 只今戻りました」
「はいれ」
窓の方を向いてた石橋は椅子に戻り座りなおした。「ご苦労だった」
机の前まで来た梶は報告書を差し出して 石橋が読み終わるまで待った。報告書には 買い付けの顛末から 紐育クラブの話という構成だった。要点...

>> 続きを読む


刻の流れー138

東野 紀子は今日一日休暇を取っていた。もっとも、倶楽部はここ数日開店休業の状態なので、彼女が休暇をとってもどうということはない。彼女は40代なかば、いわゆるオールドミスで、いつも黒っぽい飾り気のないスーツをまとい、長い髪をぴっちり後ろに引きつめるように束ねている。黒ぶちのメガネと地味な化粧。情報部秘...

>> 続きを読む


刻の流れー137

「バイク便でーす」 入り口のドアが元気よく開いて、いつものバイク便の配達員が、少々かさばる荷物を持って入ってきた。 
「ああ」 編集長は事務所に自分しかいない事に気付いて、受け取りにサインする為に入り口に向かう。出版社の従業員は、大抵日中は全員出はらっていて、編集長が一日事務所に...

>> 続きを読む






Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.