ジョーカーの冬から夏の国より~その9(END)
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/06/24 01:14:24
ナイトメアは食卓で左目を丸くした。
「……何だ、コレは?」
「そうめんです」
さらっとグレイは言ってのけるが、同席するアリスも、ユリウスも、同意できない。
ボリスとピアスに貰ったそうめんつゆは、グレイの独創的かつ大胆なアレンジが施され、珍味として生まれ変わっ...
情熱$袋だったらいいのに……
ナイトメアは食卓で左目を丸くした。
「……何だ、コレは?」
「そうめんです」
さらっとグレイは言ってのけるが、同席するアリスも、ユリウスも、同意できない。
ボリスとピアスに貰ったそうめんつゆは、グレイの独創的かつ大胆なアレンジが施され、珍味として生まれ変わっ...
白ウサギといえば、忘れられない思い出があった。
(ファーストキスを返しなさい、ペーター!)
ぱんっと音を立ててコルクが飛び出し、ターゲットの額に命中する。台の上に座っていた白ウサギは、危なっかしく不安定になり、最後は重力に落とされた。
「やったわ!」
「やるじゃないか。俺も頑張るとしよう...
「次はチェシャ猫のほうをもらおうか。興味がある」
「いいけど、せめて箸は拭いてからにしてよ」
次はボリス特製麺つゆで試食。
ずるずるずる。
「こういう麺はパスタと違ってさ、音を立てるのがむしろマナーなんだぜ」
「そう……よね。うどんの時に誰かが言ってたわ。ゴ...
ピアスの頭に肘をかけながら、ボリスがてきぱきと提案する。
「大体の話はこの耳で聞いたよ。夏祭りまで待ってるだけじゃ暇だろうし、どう? そうめんつゆ、俺がとっておきのを作ってあげる」
「僕も僕も! いいでしょ、アリス、トカゲさん! ボリスなんかより美味しいの作るから!」
「ハァ? 今何つったん...
「何だって? そうめんを探してる?」
ロッカーから先に戻ったグレイが、ゴーランドに事情を説明してみたところ、心当たりがあるといった反応が返ってきた。
「それなら少し前に取り寄せできないかって、どっかから話があったな。もしかしてお前さんだったのか?」
「間違いない。おそらく俺が手配したものだ」...