5月の真っ青な空に放り上げられたピカピカに磨き上げられた僕の作った泥団子を見上げ、僕は両手で受け止めようと身構える。放物線を描いて放り上げられたピカピカの泥団子を、両手で受け止めると、泥団子は、僕の手の中で、真っ二つに割れた。 「圭太、まだ、小学生の時の事恨んでるのか?」 ...
バーチャルに七転八倒しながらも
ニコッとタウンに生き続ける
おじさんの生き様を見よ。
5月の真っ青な空に放り上げられたピカピカに磨き上げられた僕の作った泥団子を見上げ、僕は両手で受け止めようと身構える。放物線を描いて放り上げられたピカピカの泥団子を、両手で受け止めると、泥団子は、僕の手の中で、真っ二つに割れた。 「圭太、まだ、小学生の時の事恨んでるのか?」 ...
「あのね。家があるのに、いない動物ってな~~んだ?」娘の真美は、あどけない笑顔で、私の目を覗き込むようにして、なぞなぞを問いかけてきた。「なんだろうね。降参。」と、私は、娘の相手をするのが面倒くさくて、考えようともせず、新聞から目もそらさず、すぐに答えた。娘の真美は、「ふ~~ん」と笑顔から急に真顔に...
反対車線の大型トラックがセンターラインを超えて、突然、私の乗
ってる車の方に、向かってくる。
ついに、この日が来たんだと、私はあきらめ、体の力を抜き、「死」
の運命に身をゆだね、目を閉じる。
どかーんと、大きな爆音と衝撃と共に、体が宙に浮き、シートベルト
が、肩と胸に食い込み私の体を受け...
「あああ」 「ううう」
遠くの方から、女の苦しそうな声が聞こえてきた。
声のする方に、近づいて行くと、声の主は信代だった。
信代は、床が粘着質の小さな家に入り込んで、手足が床にくっついて
自由を奪われて、身動きができない状態になっていた。
僕は、できるだけ無表情を装って、じぃ~~っと観察...
意地汚いねずみと悪賢い猫とお人よしの犬のお話
むかし、むかし、そのまた、むかし、まだ、人間が、この世に、いなかった頃の、お話です。
あるところに、ねずみと、ネコと、犬が、ひとつの家で仲良く、暮らしていました。
毎日、毎日、3匹は、お互い、助け合いながら、楽しく、共同生活をしていました。
...