自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・214~完
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/08/31 09:06:57
皆が私を勇者として崇め、尊敬してくれます。でも、そんな視線が時々つらくなります。
国の主として働きがいはあるけれど、なんだかみんな、私ひとりに何もかも決めさせようとしている……そんな気がして。 私はまだ未熟で、学ぶべきことがたくさんあります。でも、私より経験や知識が豊...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
皆が私を勇者として崇め、尊敬してくれます。でも、そんな視線が時々つらくなります。
国の主として働きがいはあるけれど、なんだかみんな、私ひとりに何もかも決めさせようとしている……そんな気がして。 私はまだ未熟で、学ぶべきことがたくさんあります。でも、私より経験や知識が豊...
【ムーンブルクの王女の手紙】
私達と心を共にする、親愛なる皆さんへ。 ロランとランドがアレフガルドで消息を絶ってから、3年がたちました。
魔物は、森や草原に棲む動物と同じで、いなくなりはしません。邪教団が消滅してからは、活性化していた魔物の活動は一時収まっていましたが、また以前のように森や海、...
アレフガルドの草原を、青い服の少年がひとり歩いていた。乾いた秋風が渡っていく。見覚えある背を見つけたランドの胸は割れんばかりに激しく鳴った。
「おーーーい! 待ってくれよー!」
駆け寄りながら声の限りに呼びかける。ただならぬ気配を感じたのか、少年は驚いて振り返った。間違いない、ロランだ。背に帯び...
【サマルトリアの王子の手紙】
父上。かわいい妹アリシアへ。
こんな形でお別れを言う日が来るとは思いませんでした。
ごめんね。でも、ぼくは行きます。ロランは今ひとりぼっちです。誰かがそばにいてあげなくちゃいけない。
それはぼくの役割ではないかもしれないけれど、ぼくはできることを彼にしてあげた...
この手紙がロランの部屋から見つかった時、ローレシア王は衝撃のあまり、胸に痛みを感じて倒れてしまいました。
幸い命に別状はありませんでしたが、ローレシア王は、それからすっかり元気をなくしてしまわれました。
「……私は悪い父であった。そうであろう、ルナ」
ロランのベッド...