ジョーカーの冬から夏の国より~その7
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/06/24 01:11:18
「次はチェシャ猫のほうをもらおうか。興味がある」
「いいけど、せめて箸は拭いてからにしてよ」
次はボリス特製麺つゆで試食。
ずるずるずる。
「こういう麺はパスタと違ってさ、音を立てるのがむしろマナーなんだぜ」
「そう……よね。うどんの時に誰かが言ってたわ。ゴ...
情熱$袋だったらいいのに……
「次はチェシャ猫のほうをもらおうか。興味がある」
「いいけど、せめて箸は拭いてからにしてよ」
次はボリス特製麺つゆで試食。
ずるずるずる。
「こういう麺はパスタと違ってさ、音を立てるのがむしろマナーなんだぜ」
「そう……よね。うどんの時に誰かが言ってたわ。ゴ...
ピアスの頭に肘をかけながら、ボリスがてきぱきと提案する。
「大体の話はこの耳で聞いたよ。夏祭りまで待ってるだけじゃ暇だろうし、どう? そうめんつゆ、俺がとっておきのを作ってあげる」
「僕も僕も! いいでしょ、アリス、トカゲさん! ボリスなんかより美味しいの作るから!」
「ハァ? 今何つったん...
「何だって? そうめんを探してる?」
ロッカーから先に戻ったグレイが、ゴーランドに事情を説明してみたところ、心当たりがあるといった反応が返ってきた。
「それなら少し前に取り寄せできないかって、どっかから話があったな。もしかしてお前さんだったのか?」
「間違いない。おそらく俺が手配したものだ」...
暑い。
最初こそ気温の上昇を、「夏が羨ましいわね」と甘く考えていた。しかし、ものの数分で汗が滲み始め、足取りもだんだん重くなる。
「はあ、水が欲しいわ」
「まったくだ。これは酷い暑さだな」
グレイも参っている様子で、ネクタイを緩めていた。当然、ふたりともコートなどとっくに脱いで、脇に抱...
今日のココアは甘さ控えめだ。
「うん、美味しいわ。……それで、グレイはどうしたの? ユリウスに用事ってことは、やっぱりナイトメア関連かしら」
グレイの整った口元が引き攣る。
「否定できないのが苦しいな。時計屋、ひとつ頼みが――」
「断る」
ココアまで用意し...