Nicotto Town


エミルの風姿花伝


秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず

彷徨う飛行機乗り

どれだけ高く飛んだと思っても
地球の大気の厚さは
リンゴに散布されたワックスよりも薄い

降りると言うより
落ちたように行き着いたここは
砂漠の真ん中だと普通に悟る

燃料計を見るまでもなく
ガソリンはつきていたのだ

嵐を避けるために
その雲の上に上昇しようとしても
高々度ではキャブレターに
十分...

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おーいエミル

Woo 授業をさぼらず
陽の当たる窓際の席に座っていたんだよ

「あー昔の日本人わぁ ビンボーでした」
日本史の先生が外国人って・・・


そういうとボクは
内ポケットのラジオ
イヤホン 長い髪に隠して
ホットなナンバーを
聞いたこともないメロディーを・・・


そうするとボクは
手にクワを持ち
な...

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打ち水に京西陣の夕涼み

昔ながらの朝顔の鉢
最近のグリーンカーテンはゴーヤ

路地の畑には
キュウリ
なすび
トマト

ものすごい背高のっぽの向日葵もあり



がっしゃん がっしゃん
織機の音の響く街

開けっ放しの玄関の
蚊取り線香と床几の親父


夏休みに入った子供たちは
道路で平気 野球する


エアコンは
部屋の...

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戦う飛行機乗り

ボクはコクピットの中で
もう燃料がなくなっているのを知っている

しかし、ここで降りたら
二度と飛び上がれない砂漠地だ

ところが ここに来て
目の前がすっかり晴れ渡っていった
砂漠のむこうの地平線は
地球の丸さを示していた

誰が
地球の丸さを見たのだろう

誰が
地球のすべてを知り得ろう

この...

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あの夏の朝のまばゆい

今も私は
このそれほど広くもない部屋で
どちらかというと
まぁ 穏やかに暮らしている
と 感じている。


花を生けたり
絵を描いたり
健康のためには
野菜をジュースにしたりして・・・
そんな 日々も過ごしていたけれども
今は、
この部屋の同居人の喜怒哀楽を
眺めているに過ぎない。


この同居人は...

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