Nicotto Town



三遊亭円生『野次郎』その5

「ええ、まずこれで安心と一息入れようとすると、また麓の方から、“ボウ、ボ~~”という竹法螺(たけぼら)の音(ね)で、見ると百姓が四、五十人蓑笠、てんでんに鋤鍬持ってぞろぞろ上がって来たから、あーさてはこれは村の守り神を殺したのでその仇討をしにきたに違いない、もうこうなったら仕方がない、目釘の続く限り...

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三遊亭円生『野次郎』その4

「さあー、あいつに引っ掛けられちゃあ大変だから、どっかへ避ける所はと見ると、大きな松の木が有る。 んん、これへは~っとよじ登ってね、天辺まで登って、松安心!」 『変な洒落だなどうも・・』 「ちょいと上から見ると木の周りをぐるぐるぐるぐる廻り始めた。 やがての事に鼻面でこう木の根を掘り始めた。 段々緩...

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三遊亭円生『野次郎』その3

「“して汝らの望みというのは?”てぇと、“おうさ! 幾らかくらと言うじゃあねぇ、路銀は元より身ぐるみ大小”、(声変えて)“残らず置いて行きゃあよし”、“やだ、おうだと四の五の言やあ”、“しゃてーな・・”」 『何だ、おい?』 「色んな奴が口をきくから色んな所から声を出す。」 『細かいねどうも。』

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三遊亭円生『野次郎』その2

「途中いろいろ試合をしながら、おいおい奥へこうのして行きました・・南部の国の恐山という山の麓に掛かった時はちょうどもう日の暮れ方。 茶店の爺さんが店を片付けようという所に飛び込んで、渋茶を飲みながら山を見上げ、“この山は中々爺さん、高山のようだ”てぇと、“えー、高ぇ山で御座います” “拙者は夜押しを...

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三遊亭円生『野次郎』その1

昔からこの嘘をつく事はいけないとよく言われまして、えー、嘘をつくのは泥棒の始まりだよなんと、私共御幼少の折りによく言われたもんで御座いますが・・

「えー、暫くで御座います。えー、どちらへお出かけで御座いますか? 運動で! おっほほほ、どうもいつもマメでいらっしゃいますなー・・おや! お可愛いお...

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