Nicotto Town



good person is a liar5問

【挨拶】____________________


 よろしくお願いします。


【本編】____________________


 時間がどれだけ経過したのかを測りかねて、
目を覚ますと車は動いていた、
太陽の位置は低く、
朝日なのはわかった。


 「あっ おはよー ごめんね 起こしちゃったかな 
まだ寝ててもいいからね」


 聞き慣れないgreeting(グリーティング)。


 昨日家を出て凍え死にそうだった所を助けてくれた人と、
思い出した。


 身体を起こして景色を見る、
そこはかろうじて見覚えがあるぐらいの遠方の土地だった。


 「何処? ここ?」


 「…………」


 意図的な無言が返答される、
運転中の横顔はなんとなく申し訳なさそうに、
頼りなく見えた。


 「私はこれから 貴方の家になる他県の養護施設に行くわ 
貴方はそこで暮らすのよ」


 助手席で寝付いてから、
何度か訪ねてきた誰かの声で目を覚ましたが、
今思えばあれは、何処かに電話していたんだと知る、
この車も夜は暗くてわからなかったが、
助手席にペダルが付いていたり、
バックミラーが、2つ付いていたり、
明らかに普通車ではない、これは警察車両だ。


 「貴方が空き家だと思ってた家は 
証拠物件として警察が管理している家なの 
私が行ったのはsurvey(サァヴェイ)のため 
…私は警察の捜査官なの つまり刑事」


 訪ねて来た誰かは丁寧に警察手帳を出し、
中を開いて見せてくれた。


 「……家に帰りたい」


 「ダメ 貴方は警察が保護します」


 「帰して!! どこのも行きたくなんかない!!」


 悟って感情がexplode(イクスプロウド)のを抑えられない、
命の恩人と言う事を忘れて、僕はyell(イェル)。


 必至で訴えかけているdespite(ディスパイト)、
車は止まらない、頼んでも怒鳴っても「ダメ」の一点張りで、
感情的になった僕は強行手段として、助手席にあったブレーキペダルを踏み込む。


 ウウゥウウゥゥゥウゥウゥウウウウーーーーー。


 車外にサイレンが響く、
…なんだこれ? ブレーキじゃない。


 「無駄よ それじゃあ車は止まらないし 
逆に目的地に早く着く事になるわ」


 小悪魔の様な笑み、
ママには出来ない種類の表情だ。


 「帰して!! 帰りたい!!」


 「ダメ!! 警察官と言うより 
社会人としてDVの現場に貴方を送る事は出来ない 
すぐ逢えるから お願いだから私を信じて」


 嘘だ。


 2度と逢えない、
少なくとも合わせようと言う意思は無い、
訪ねてきた誰かに1から説明している時間は無いが、
僕にはそれが嘘だと分かる。


 最悪な可能性が脳裏に浮かび、
それを否定する情報が何も無い事に焦りを覚えた。


 「何をするの やめなさい危ない!」


 僕は取っ手に手を掛ける、
それに対しても目ざとい指摘を受けるが、
quarrel(クウォーレル)と言えるほどの会話にならないなら、
こうするしか無い、静止の声を無視して、
僕は車のドアを開ける、そして飛び降りた。


 氷面をバリバリと削りながら、顔のすぐ横を、車のタイヤが通過し、
僕の身体は地面に打ちつけられる。


 おろし金の様にデコボコの地表は氷とは言え、
強い摩擦を生み、小さな氷の破片に体中を切り裂かれた。


 考えなしの行動はよくあることだが、
また運好く転がった先に雪の山があり、
僕はその雪の山に突っ込んで止まる。


 擦り傷は痛むが、
幸に大した怪我は無い。


 僕は裸足のまま立ち上がると、
氷雪の上を走り出した。


 車で来た方とは逆方向の、
家を目指す。


 訪ねて来た誰かが車で追いかけて来れないように、
車では通れない雪の積もった道や、
道にすらなれない様な獣道をあえて通る、
石や枝が転がっている道が足の負担になったが問題は無かった。


 今家に帰る以上に重要な問題は無い。


 皮膚が裂け、爪が割れ、痛みは増すばかりだったが、
歩を進めるごとに僕の家は近づく、
休む事なんて出来ない、今は。


 来た事があるのか無いのかもはっきりしない、
うる覚えの山道をwander(ワンダァ)ながらでも、
泣いている暇なんか無い、
すぐにでも僕はママの待つ家に帰らなければいけない。


 子供をbreed(ブリード)事がどんな要素をaccompany(アカンパニィ)か、
僕にわかるはずもないが、嫌なら辞めたっていいと思う、
頭ごなしに常識を振りかざして、
訪ねて来た誰かはママを批難するけど、
大好きなママをprejudice(プレヂュディス)で非難される事に、
僕がどれだけ惨めな想いをするか、
僕がすることにあんなに目ざとかった訪ねてきた誰かも気付かない。


 もっと二次災害を恐れてほしい、
無責任な慰めなら、僕を傷つけるだけ。


 氷が溶けて落ちる様に、
僕は意思を無くした。


【後書き】___________________


 ありがとうございました。




Copyright © 2020 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.