Nicotto Town


人に優しく。


  

坊や

ぼくは彼女の顔に浮かんだ期待と、ぼくを認めたときにその期待が喜びに変わって輝くのを見た。

近づいていくと彼女はぼくの顔を撫でるように見つめた。

彼女の目は、求め、尋ね、落ちつかないまま傷ついたようにこちらを見、顔からは生気が消えていった。

ぼくがそばに立つと、彼女は親しげな、どこか...

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もったいない

「必ず、あなたはなおって、ぼくのお嫁さんになるんだ。どんなに長くかかっても、必ずなおってくれなければ困る。しかし、なおらなければなおらないで、ぼくは一生他のひととは結婚しませんよ」

信夫は初めて自分の想いをふじ子に告げることができた。

そしてほんとうに、この可憐なふじ子以外のだれとも結婚...

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崇拝

彼女はくるりと向うをむいて、窓にもたれた。

「ほんとに、わたし、そんな女じゃないの。わたし知っててよ、あなたがわたしのことを、悪く思ってらっしゃることぐらい」

「僕が?」

「そう、あなたが……あなたがよ」

「僕が?」と、わたしは悲しげに繰返した。

そしてわたしの胸は、う...

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よかった

最後、ごめんなさいと言ったあと、少年は一段と激しく泣きじゃくり、涙と鼻水でマスターのシャツを濡らした。

背中を撫でながら何度もマスターは、「いいんだよ、謝らなくてもいいんだよ」と繰り返したが、その口調の優しさがいっそう少年を悲しくさせ、涙をあふれさせた。

「で、お金は何に使ったんだい?」...

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