Nicotto Town


人に優しく。


  

お母さん

お母さんなんだ。

一瞬、頭の中が真っ白になる。

亜夜の動揺をよそに、その存在は明るく笑っていることに気付いた。

やれやれ、今頃気付いたの。

やあねえ、亜夜ちゃんたら。

そんな声が聞こえたような気がした——いや、心に浮かんだというほうが近い。

亜夜は自分にあきれた。...

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善き人

「もう愛情はあるか?」

そう言ったのは彼だが、口から出たとたん、自分で驚く。

「この子に? いいえ。どうして愛せる? でも、愛するようになるわ。愛情は育つものよ。その点は、母なる自然を信じていい。きっと良い母親になってみせるわ、デヴィッド。良き母、善き人に。あなたも善き人を目指すべきね」...

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よかった

最後、ごめんなさいと言ったあと、少年は一段と激しく泣きじゃくり、涙と鼻水でマスターのシャツを濡らした。

背中を撫でながら何度もマスターは、「いいんだよ、謝らなくてもいいんだよ」と繰り返したが、その口調の優しさがいっそう少年を悲しくさせ、涙をあふれさせた。

「で、お金は何に使ったんだい?」...

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「姉さんな、あんたにはあげる形見がなにもないから、自分が持ってる目に見えないもの、たとえば学力とか、健康とか、知識とか、ちっとはあるかもしれない才能とか、そんなものをそっくりあんたに譲っていきたいと思ったの。それにはどうすればいいかと考えているうちに、いいことを思いついた。どんなことかというとな、あ...

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