Nicotto Town



初夢の続きは「イベント版」 (6)

「じゃあ私、ここのMAP(遊園地の概要が載ってるやつ。)をもらってくるね~!!」
と、優が一人でインフォメーションセンターに向かい小走りに駆け出した。

(間宮。行ってやれば?)

暦村に言われ、僕は慌てて優の後を追った。
ちらっと振り返ると、暦村がナベと梅子に何か示している。
(なんだ、すぐそばに案内掲示板が立ってたのか)
しかし協力的だなアイツ。本当に邪魔する気ないみたいだ。



「松梨さんが言った通り、すぐ見つかっちゃったわね」

他のメンバーに気付かれないように桃香と松梨が話している。

「あの子も何か“力”があるってことはないの?」

「あんた心読んだんでしょ?梅子は違うわよ。ただ勘が少し鋭いだけ」

カラオケの時、目の前のコイツの“力”に気付かなかったのは、悟を振り向かせるのに必死だったからだ。
冷静な時なら“力”のある奴かどうかはわかる。

「そっか」

あたしの心を読んだのか、桃香はもう違うことを考えているようだった。
視線を追うと、悟と優が遠くに見えた。



「タケ君、それ本気で言ってんの?」

梅子が呆れている。タケ…暦村がここに来た目的を『人間観察』と答えたからだ。

「あー、今日は遊園地の乗り物観察も兼ねてます」

飄々と補足する暦村。ナベが笑いながら付け足す。

「コイツの趣味なんだとさ。変わってるだろ~?恋愛には今んとこ興味ないゆーし」

「ふぅ~ん。わが道を行く人なのね」

梅子の興味が薄れたところで悟と優、松梨と桃香も加わり、乗り物の話へと進む。
受け取ったMAPに目を通す暦村の無感情に見える顔は変わらない。


嘘は言っていない。ここに来たのは恋愛目的ではない。
目的は別にある。今のところは、観察だ。

(ま、何も起きなければ趣味観察もできるんだが…)

一瞬だけ彼の目がメンバーの誰かを捉えた。誰もそれに気付かなかった。

(未完)






全執筆者(敬称略)

ヨカン・コシカ  まい lemon  ぺんちゃん~♪ aya4  ラフィリ オリィ ひじき sara
ゆうゆ のの はなちゃん にゃんぴち @まるこ 恭介




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