Nicotto Town


風の中あいつらは死ぬまで立ち続ける


送り出す人々

 世の中が「おくりびと」の受賞で賑わっていますね。自分が住まう県で撮影されたものが受賞して、大変嬉しいのですが・・・残念ながら(?)私の住まう地方に、あのような習慣はございませんw

 え? なんで? と思われるでしょうが、同じ山形県でも内陸地方と沿岸部では間に大きな月山という山があり、道路の整備されていないその昔は行き来が非常に困難で、文化も方言も異なることが多いのでございます。

 じゃあ、ひかるくんちでは、誰が納棺するの? と言われますと、我が家では家族が入れて差し上げました。まぁ、やっぱり力のある男性となりますが、喪主とその近親者で入れて差し上げることになります。

 一昨年、曾祖母を送り出したのですが、これまた嫁の立場として、大変世話しない送り出しだったので、記憶が曖昧で申し訳ないのですが、思い出し書いてみると・・・・

 病院から戻ってきた曾祖母は、まだ寝巻き姿のままで、そのまま寝巻きで見送られたような・・・・?

 いや、その後、葬儀屋さんが来て白い着物に着せかえたような?

 あぁ~実家のお袋が「お義母さん、前合わせは逆よ!」 と言っていたような記憶があるので、姑が着替えさせていた?

 うぅ~ん 病院ですでに清められてきたんだっけ?

 おぉーーーーい? といわれようが、葬儀に直面したときの嫁ってのは、本当に忙しいものなのです。うちは舅がいませんので、姑と主人が二人で喪主と言うことになり、二人には二人で葬儀を取り仕切る仕事が待っていますから、家内のことはすべて私が取り仕切らなければならないのです。葬儀屋さんがきたから、どうしたこうしたなんて、いちいち見ている暇なんてございません。ずっと台所に立ちっぱなしなのです。

 えぇ、本当に、その節は駆けつけてきてくれた実家の母が、大変頼もしかったです(つまり母に頼りっぱなし)青二才がおいそれととできる代物ではございません! 葬儀なんて!(お、開き直った)

 でも、ここではまだ入棺(納棺)はいたしません。24時間は布団に寝かせておきます。多分どこでもそうですよね?

 そして入棺(「にゅうかん→にっかん」と山形では呼びます)お坊様を読んで読経していただき、ウチの場合はお坊様が取り揃えてくださった旅支度の説明を受けながら、喪主である主人が身支度を整えてあげ(死後硬直しているので見せ掛けですが、簡単に足袋を履かせたり、手っこをつけてあげる。向こうの世界は現世と反対になっているそうなので、紐は逆結びにしてあげる。だから逆結びは縁起が悪いといわれる)塩を入れて清めた水で、集まった葬列者が、順番に顔や手足を拭いて清めて差し上げるのです。
 それが終わると、力のある男性人で、えいやっと布団ごと遺体を持ち上げ、お棺に収めます。
 それから、みんなで花を飾ってあげ、入棺の終わりとなるのです。

 うろ覚えですが、子供の頃に両方の祖父を送り出したときも、お父さんや伯父さんが、おじいちゃんの遺体を持ち上げていた記憶がありますので、この辺ではこれが普通だと思います。

 ですから、最初あの映画が宣伝されるようになったとき、「なにそれ?」だったのですが、どうやら普通にそう言う仕事の人がいるのですね。

 郷土文化のうえでも大変興味深いので、是非観て見たいですが、映画館にいける余裕がないもので、レンタルを待つことになりますね。

 ところで、今朝のニュースでちらりと見ましたが。男性の遺体を整えてあげていると思しきもっくんの後ろに、それは立派なお雛様が飾られているシーンがあるようですね。葬式になんでお雛様! とお思いでしょうが、あれは山形の郷土を説明する、大事な小道具なのです。
 地元民はあのお雛様を見て、「はは、立派なお雛様だw」と苦笑してしまうのでございます。

 まぁ、別れは突然のこと。今時分に亡くなれば、お雛様の横に仏様が寝てしまうのは、仕様のないことでございますね。

 旅立つ人と、送り出す人々。難しい題材でしたでしょうが、受賞おめでとうございます。
 

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2009/02/25 08:41
ウチのオヤジが死んだ時は全部葬儀社任せやったな。
なーんもしてねぇもんねー。
そう言う所もあるってこって。
漫画は先に読んだけどね。
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2009/02/24 22:41
嫁は、どこでも台所の番だよねぇ。
旦那の祖父が亡くなったときも、姑に注意されながら、告別式の受付やお金の管理、叔父の家に戻ってからは、お客様の対応片付け・・・。
食事も、1日中食べなかった記憶が(*´д`;)

お葬式は大変です。
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2009/02/24 21:24
今、旦那の言質を取りました。病院で亡くなったので、病院に駆けつけた葬儀屋さんが、病院で白い着物に着せ替えてくれたそうです。だからそっちに「おくりびと」さんがいたのかもしれません(もっくんじゃないけど)
勘違いした母同士の会話は、「お義母さん、枕は北枕よ!」でしたw
コメントくださった方々に、お返事をしたためたいところですが、これから出勤します。でわ!

あぁ、お雛様は、別に葬式だからわざわざ飾るわけではありませんからねw
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2009/02/24 21:10
お葬式はいろんな習慣の違いがあってたいへんだねぇ
毎回どんなお葬式いっても、『あれ?ここではこうするんだ?』みたいな感じだよw
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2009/02/24 21:08
私ももっくんに納棺してもらいたい・・・w

義母の納棺の時は立ち会えなかったので残念だったわ。
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2009/02/24 14:04
そそ、ほぼうちと同じね。
自宅でお葬式をするから、女衆は台所でお膳の準備し、喪主・息子たちは来客のお酌して、おば達は葬儀の手続き進行・金の計算としていたわ。
葬儀屋さんが装束を着せるとなったとき、部屋から追い出されて、着替えは見せてもらえなかったと、母は言っていたな。棺には、身内の男衆があつまって入れてた。
布団に二日、棺に一日の計三日を家で過ごした気がします。

お雛様ね。
これも風習なんでしょうね~
気にもとめなかった(笑)
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2009/02/24 12:44
同じ歳のモックン輝いてるニャd(d゚∀`=)♪
何処で人生間違えたかな゙;(;゚;ω;゚; ) キュー
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2009/02/24 11:52
ほぉ。
山形が舞台とはニュースで言ってましたが。
そんなに地区でも(理由あって)異なるのですね。

昔の日本には「土葬」と「火葬」と地域毎にあったようですしね。

なんでも、納棺しさんは、函館だかの災害時に大きく損傷した遺体を生花店のご主人が、
少しでも綺麗に、やすらかにと、おさめる手伝いしたことが、発端掘だったとか。

残された人が、心静かに見送れるようするまでに、色んな人の手助けがあってのことなんですね。


流行りもの好きな旦那も、この映画に興味しんしんでぇす。ははは・・・。


もっくんが、この原作本を気に入って、10年かけて映画化に尽力したとか。
映画化って、そういう「思い」からも作品になるって知って、
そして、世界に認められるってことに、感動しましたよ。PINKは。

興業収入の「金勘定」先行の映画化が多かったと思うので。
漫画>ドラマ>映画
原作本>ドラマ>映画 ・・・みたいなね・・・。

同じことだと思うのですが・・・「エンバーミング」という言葉も密かな話題です。
死化粧師(三原ミツカズ作) を漫画で読んだので。

欧米では、死→エンバーミング→葬儀という流れのようです。
日本でもその職業が少しずつ認知されてきています。
だからこそ、日本のこういう風習が理解されやすかったのかも?とも思ったり。

あぁ・・・もうすぐ、大伯父と、伯父の一周忌です。

日本作品の2作品が受賞、PINKも嬉しいです。



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