久し振りの読書♪
- カテゴリ:日記
- 2011/08/03 07:57:05
久し振りに入った大型古書店で出合ったその本は、化粧ケースに入って更にビニール袋の中に入れ閉じられており、どんな内容かとページを繰ることは許されなかった。
それでもその本を買ったのは、その片仮名の題名とケースに描かれたローマ風建築物の絵が素敵だったのと、青い色が物悲しく映ったからだ。
付け足しておくが、もノちノ論、105円だった(これが一番大きな理由(●´ω`●)ゞエヘヘ)。
義父母の店番を頼めれ、ネットの繋がらないそこで溜まった繕い物と一緒に目を滑らすものとしてやっと読む事になったその本。
「アベラシオン」 篠田真由美 著 講談社
あとがきに有る作者の声に共感。
「私にとって至福の時代は、物語を形にし始めることで終ったといっていい。書くことは夢から覚めること、現実に還ること、残りの可能性を断念し退路を断つことに他ならないのだから。」
私が物語を書くことはないから全く同じ気持ちだとは言わないが、
わかるっ!わかるわぁ~その気持ちっ!!(これはクマ先生で言って下さい。)
ページを捲るたびに目の前に繰り広げられる世界に没入し、まるでkの目で実際に見てきたかのように生々しく物語りに触れる。その素敵な装飾品に触れ、輝く光を浴び、仰ぎ見る建物の美しいこと。登場人物の一喜一憂が手にとって見え、吐く息に触れるほど近くにいるように感じる。
結末にむかい話が展開し始め、捲るページを持つ左手の厚みが薄くなるにつれ、
ああ、終わってしまうんだ、もうすぐこの話は終わってしまうんだと言うまだ夢を見させて欲しい、現実に戻りたくない離れがたい虚しい気持ち(ノω・、) ウゥ・・・
この「アベラシオン」は、何と言うか少女マンガの世界のよう。
イタリアで美術大学に通うため勉強をしている“芹”は、アメリカ人のルームメイトに誘われパーティに出席したが、そこで殺人事件を目撃してしまう。
そこから始める大富豪で美術評論家のイケメン、アベーレとその一族関係者の連続殺人と代々伝わる正五角形をした豪奢な館。素晴らしい絵画。見事な庭園。絡んでくるキリスト教とナチシズム。
途中で何となく犯人は想像がついちゃったけど、良いのよそんな事。
できれば後日談が欲しかったけどってトコが欲ね。
いやぁ~、ほーんと、ちょー面白くて死にそ~!!
どっぶり嵌っちゃったわ!!
こういう本読んだ後に炊事洗濯なんて考えたくないわ~!!
もう1回読んじゃう~!!