Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


つづき。死使(しと)のつづき。あい


 われは誰か


まだ生命反応を感じる…。これは誰だ?

弱々しくもあり、はかなくもあるが…懐かしい気も感じる。

 

そうか…われに「憎しみ」をくれた者か…

 

われはだれか…リルル・ガランド…???

 

それがわが名?

 

わからない。

 

ち・が・う…。これはボクの身体だ!ルゥ・アプサラスのモノだ!

 

違うな…。われのモノだ。

われは汝。汝はわれ。

 

…じゃあ、ボクはリルルなのか?

 

リルル?それを主に置くか。それともラルクゥか、それとも、それとも…。

 

お前は誰だ?ボクは誰だ?

 

わからぬか。わからぬならこのまま分離し、破滅を迎えるしかあるまい。

ボクは…リルル・ガランドだ!

「目覚めたか?やばいぜ。また黒騎士たちがこっちへやって来ている。どうする?リルル」

と、赤髪で黒目の男は聞いてくる。

 

「どうしましょう…また誰かが犠牲に。」と、ニナ王女は暗い顔をする。

 

「何故、ボクの名を知ってるかは聞かない。赤髪…フィルハーモニー王家の者だな。なら、ボクと反対側に逃げろ。ここまでボクを連れ出してくれたのはお前さんのようだし。あいつらはボクが何とかする。ボクは人間じゃないからな。それに魔でも無い。もっと言えば名も忘れた。リルル?そう呼ばれていたのかもしれない」

 

「おいおい、目覚めた途端、よくしゃべる奴だな。オレはスコット。ご察しのとおり、王家の人間だ。しかし、大丈夫なのか…。仮にも黒騎士たちだぞ」

 

「その黒騎士の死体の山からボクを運んだのは誰だ?」

 

「…ああ、いや。オレだけどさ。やっぱりあれはお前さん仕業なんだな」

 

「たぶんな」

 

「おいおい。たぶんって…」

 

「名は誰から聞いた?」

 

「そこの王女様さ。王女様が「あれはリルルです」って」

 

「そうか。わかった…気配が近づいている。早くあっちへ行け。ボクが奴らを惹き付ける」

 

「わかった!よし、行くぞ。ニナ王女」と、スコットは駆け出して行った。ニナ王女を連れて。ニナ王女は何故かボクを見ていた。悲しい目?いや、寂しそうな目で…。

 

ボクは黒騎士たちに向って叫んだ!

「リルル・ガランドはここにいるぞ!王族の命を打ち漏らすとはお前たちもたいしたことないな。ほら、どうした?早く来い!」

 

ボクはそう叫び、スコットたちとは別の道を走った。自分が誰かもわからぬまま。

アバター
2011/09/10 09:19
 どうなるんっ(;゚Д゚)



月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.