Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


お姉ちゃんとリリィ


 暗い穴の中をタイマツを頼りに進む。

 道は一つだった。

 本来、二つ、三つと、別れ道があるはずなのに、別れ道は塞がれていた。

 誰かが故意的にボクたちを一つの場所へ導こうとしている。

 罠だ。

 そう、思ったのはボクだけじゃなかったようで。隣にいる赤髪のスコットが話し出した。


「おい、リルル。やっぱりやめようぜ。この中には黒騎士たちがたくさんいて、とてもじゃないけど勝ち目もなさそうだし、な。やめとこう…それに気づいているだろ?明らかに罠だ!」と、スコットは叫ぶ。

「そうだな…スコット。だが、君がいるから大丈夫だ」と、ボクは答える。

「意味がわからないぜ、どういうことだよ…」と、スコットはむくれ顔だ。

「昨日の夜の魔方陣…あれは事前に描くことはできるのか?」

「ああ、できる。簡単だ。何だ休憩でもしようってのか?」

「それを事前に描いて、ボクの合図で、発動させることは?」

「そんなのはおやすい御用だよ。何故、今そんなことを聞く?今は引き返すか、進むか?だろ?」

「スコット、ルーには何か秘策があるみたい…。それにワタシも思う。あなたの魔方陣…あれはただ休憩をするためだけの魔方陣じゃないって思う。だから、ルーに、いえ、リルに任せてみたら」と、金髪のニナは言う。

「ニナまで、リルルの味方かよ。まぁ、秘策があるならそれでいいけど。ほんとに大丈夫なんだろうな、リルル」

「ああ、いつでも発動できるようにだけしておいてくれ」

「わかった」と、スコットはさらさらと、魔法陣を描き、青い箱を袋から取り出して、青い箱の中に魔法陣を封じ込めた。

これで策はできた。

あとは敵の罠に巡り合うだけだ。

わかりやすい相手で、助かったよ。

黒い大きな扉の前に来た。

その扉が、まださわりもしていないのに、勝手に開く。




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