Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


お姉ちゃんとリリィ2



黒い大きな扉の前に来た。

その扉が、まださわりもしていないのに、勝手に開く。

どうぞ、お越しまし。とでも、言われているみたいだ。

ボクたちはお互いに顔を見合わせ、中へ進んだ。

とても広い場所だった。

天井は高く、両脇には黒騎士が十人ずつ控えている。

そして前方には三十人ほどの黒騎士と、青い長髪をしていて、ボクと同じ赤い瞳を持った魔女がいる。白いエプロンに、緑のドレス…。

何か手伝いをしていて…そのまま魔女になってしまったのか、青い長髪の魔女はそんな格好をしていた。

「遅かったな…罠と知りつつ、来たか?それとも、それさえ気づかぬ愚か者であったか?」

「知りつつ来た。ところで、あんたが、リリィが言っていた青髪の魔女か?」

「貴様!何故、リリィを知っている?」

「リリィから伝言がある…。「お姉ちゃん、理解できなくてごめんね…許してね」…だ。」

「そんなことリリィが言うものか!戯言を!」と、青髪の魔女は怒鳴る。

「いや…本当だ。ここにいる全員を倒せば信じるか?」

「はっ!倒せるものなら倒してみせろ。青き魔女セシリーをあなどらないことだ。かかれーー」と、セシリーは叫んだ。

黒騎士たちが一斉に動きだす。

「おい、リルル。来たぞ、来たぞ、どうするんだよ。」

「スコット、まだだ。もう少しひきつける。箱を開く準備だけしておいてくれ」

「でもよぉ」

「いいから、頼む」

黒騎士がそれぞれ武器を構え、投げようとする。

「今だ!スコット!」と、ボクは叫ぶ。

箱は開かれ、魔方陣は展開される。

その魔方陣は部屋の床一面へ広がり…黒騎士たちと、青き魔女セシリーを包んでいく。

「ほら、見ろ…スコット。黒騎士たちの目を…赤い瞳が元の瞳の色へ戻っていくぞ」

「えええ!この魔方陣にそんな力が!」と、使ったスコットが一番驚いていた。

正気に戻った黒騎士たちは鎧を脱ぎ捨て、兜を投げ捨て、武器も捨てた。

その奥にリリィと同じ金髪で青い目をした、いや、元の姿に戻ったセシリーが、泣いていた。

「リリィを…。私の家族を村人たちは見捨てた!それが許せなかったのに…。リリィが…リリィが…そんなことありえないわよ」と、セシリーは泣いている。

『お姉ちゃん…私はたしかに雪の中で、孤独に死んだのかもしれないわ。あの日は吹雪だったし、誰も見つけることはできなかったかもしれない。でもね…フィオルさんと、いう人が…そこにいるスコットさんのお兄さんが死んだ私に気づいてくれたの。それで私、村へ戻れたの。ねえ、お姉ちゃん…私はお姉ちゃんに「やさしく」生きていてほしい。もうやめよ…私のために復讐なんて、もうやめていいんだよ。お姉ちゃん…だから、今度は自分のために生きてね。私はいつでもお姉ちゃんのそばにいるから。お姉ちゃんを守っているから』

 幻覚かもしれない。ボクの目にはリリィがセシリーを抱きしめる姿が焼きついた。

 二人の姿が重なり、消えた。

 ボクはあふれでる何かを止めたくなかった。

 部屋にはボクの雄たけびのように叫ぶ声が、響いた。


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2012/01/22 22:09
コメントありがとうございました。
本当に本当に嬉しかったです^^*

小説読ませていただいています。
なんだか羨ましいです(〃´ x ` 〃)
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2012/01/21 02:01
 ホンマ久々よねぇ(* ̄∇ ̄*)

 最後まで書き上げてよね♬

 楽しみにしとくけんねっヾ(ゝω・`)oc 
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2012/01/20 22:53
久しぶりの小説です。

驚くことに二ヶ月ぶり???です。

きっと内容覚えてる人、いないけど…よかったら読んでください。

あきらめずに最後まで書き上げます。あい



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