Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


能を見てきました。


この冬一番の寒波到来!
東京の都心も雪がちらつく空模様。

そんな中、まずは定期検診のために病院へ。

お正月明けすぐに病院で新しい検査をしたので、
その結果を聞きに、
コートに手袋、
マフラーに耳まで隠れる毛糸の帽子、
足下は雪でも滑りにくいハイキングシューズ、
という出で立ちで、雪の中をいざ出発!

新しい検査の目的は、
かれこれもう7年近く飲んでいる薬の効果が、
病気の進行を抑えることによって、
どの程度、病理組織の改善に役立っているかを検証しようというもの。

結果は、専門用語で言うところの「著効」、
つまり、よく効いていて、
しかも、よく効いているために、
明らかに組織全体が改善しているとのこと。 パチパチパチ

…とはいえ、これからも、
この薬を飲み続けなくてはいけないことに変わりはなく、
「く、薬、くだせぇ…」という状況は変化なし。     ☆\(ーーメ) また誤解を招く表現を…


次に、雪の降る中、
病院近くの公園の中にある図書館まで移動して、
能が始まる時間までドイツ語のお勉強。

久しぶりに、ここの図書館を訪れたのですが、
なんかとても小じゃれた施設へと変貌していました。
職員の制服も、黒っぽいベストを着込んで、
ウェイター・ウェイトレス、あるいは執事のようです。
執事萌え~…          ☆\(ーーメ) 

食堂も、以前は公立施設に多かった、
安いけれど貧弱なメニューではなく、
公園の中にあるカフェのようなメニューになっています。
つまり以前は、「昼定食A 500円」という感じでしたが、
今は、「ビーフ・ストロガノフ、森のキノコ入り、950円」てな感じの
おしゃれなメニューになっていました。

2時間ほどドイツ語の練習帳を紐解いてみて、
夕方、近くの地下鉄駅から能楽堂近くの駅へと移動。


国立能楽堂は、
さすがというか、当たり前というか、
能を演じる場所だけに、
余計な飾りのない凛とした感じの建物です。

荷物を預けて身軽になり、
脇正面の席に座れば、
ほどなくして、しずしずとシテとアドが橋懸かりを渡って現れ、
狂言が始まります。

本日の狂言は、
和泉流、野村万作、野村萬斎親子による「隠狸」。

隠れて狸を獲っている太郎冠者に、
主人が狸を所望し、
そんなことはしていないと言い逃れる太郎冠者に、
それでは市で狸を買ってこいと主人が命じます。
太郎冠者は、しぶしぶ市へ出かけるのですが、
ついでに自分が獲っておいた大狸を市で売ってしまおうと考えます。
ところが、その市へ主人が現れ、
太郎冠者が隠し持つ狸を取り上げようと、
市の真ん中で、太郎冠者に酒を飲ませ、舞を踊らせ…
…と、まあ、そんなお話。

お話では、「大狸」なのですが、
シテの太郎冠者の腰に付いているのは、小さな狸のぬいぐるみ。
その可愛いぬいぐるみを巡って、
主人と太郎冠者が、嘘をついたり、嘘をあばいたり。
このたわいない滑稽さが、
「隠狸」という狂言の味なのでしょう。


能は、宝生流による「巴」。
シテは、辰巳満次郎。

木曾から京へと旅だった僧一行の前に、
木曾義仲に最期まで付き添った巴御前の霊が現れて、
義仲の最期と自らの不興を語ります。

義仲に最期まで付き添っていたにも関わらず、
義仲自害の前に、
「お前は女性だから、
 最後までお前と一緒にいたとなれば、
 武士として功名に差し障りがある」
と義仲によって言い含められ、
その代わり形見の小袖を与えられて、
自分は泣く泣く木曾へと落ち延びていった…

その経緯を伝えるべく、
まずは、僧一行の前に現れる女人の霊の姿で、
次に、長刀を持ち、武者姿となった巴の霊となって、
そして最期に、形見の小袖を身に纏い、木曾へと落ち延びていく姿として、
シテが舞い、語っていくお話。

能の緩急、
余計なものが一切なく、
無駄のない切れのある動き。

緊迫した空気が辺りを支配し、
異界を一時現出させ、
そこに束の間、共に棲まうかのような能の舞台は、
この世ならぬ世界で、
自らの心身を振るい洗うかのような働きがあって、
私は時々、能を見る必要を感じています。


舞台がすべて終わり、
能楽堂のロビーへと出れば、
外はしんしんと冷え込んでいて…

私は再び防寒具を着込み、
気持ちだけは鎧兜を身に纏った武者姿の巴御前になったつもりで、
最寄り駅に向かって静々と歩みを進めていったのでした。

おしまい。

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2012/01/22 18:50
>「大腸がん」の組織を、自信満々に「胃炎」と診断しましたからね。自信だけはあるんです。

その自信をへし折ってやりたい!(笑)


>がんの見落としという以前に、そもそも臓器すら合っていなかったけれど!

そのうち爪の細胞を赤血球の細胞と診断しそうでこわい…。


>組織スライドとちがって
>MRIでは、より個人がわかってしまいます。

エコー画像なんかと違って、ほんとにはっきりくっきり。
私には若干、脊柱側湾があるんですが、
素人でもそれがはっきりわかりますからね。


>安くもなにも、もちろんタダで    ☆\(ーーメ)

ただで私のすべてを拝もうだなんて…、


>白日の下になんかさらさず、
>沖野の鑑賞用にしますから……   ☆☆\(ーーメ)

いやん、えっち… 

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2012/01/22 18:36
組織の再生力ってすごいですね。

>特殊な超音波を発する検査機器を使用したため
おおーぅ、機器が違うと画像の読み方も違うので、難しそうです。

てっきり胃の内視鏡のときのような、生検の病理診断かと思ってました。
スライドグラスに組織の薄切片をのせて、薬品で染色して、顕微鏡で見るアレ。
沖野さん、そういう組織スライドを見るのには自信があります。
なんたって2年ほど前、病理学のテストで
「大腸がん」の組織を、自信満々に「胃炎」と診断しましたからね。自信だけはあるんです。
がんの見落としという以前に、そもそも臓器すら合っていなかったけれど!

組織スライドとちがって
MRIでは、より個人がわかってしまいます。

沖野がMRIが読めるようになるまで、あと2年くらい…(´・ω・`)
免許をとって責任を負えるようになったら、
お宝MRI画像をぜひぜひ見させてください。
安くもなにも、もちろんタダで    ☆\(ーーメ)
白日の下になんかさらさず、
沖野の鑑賞用にしますから……   ☆☆\(ーーメ)

それまでは学術誌めくりながら
実習でオタオタしながら、勉強します。
アバター
2012/01/21 23:09
>沖野さん

おかげさまで、この薬によって病気の進行はほぼ完全に抑えられています。
今回の検査は、病気の進行が抑えられたことによって、
病変している組織に新たな再生が見られるかどうかを確認するものでした。

この薬の二次的効用として組織の再生が見られることは、
すでに学会誌などに報告されているのですが、
病変の進み具合と患者の組織の再生力によって、
組織の再生にはかなり個人差があります。

そして、殺しても死なないゾンビのような再生力を持つ安寿さんのしぶとい細胞は、
案の定、トカゲのしっぽやイモリの手足、
いえいえ真っ二つにされても再生してくるプラナリアの如く、
しっかりと再生しつづけ、
元通りとまではいかないものの、
明らかに改善の徴候を示していたのでした。  パチパチパチ

その組織、見たいですか?

今回の検査は、普通の超音波検査機によるエコー診断とは異なって、
特殊な超音波を発する検査機器を使用したため、私の手元に画像データは残っていません。
ですが、MRIならば、過去5年分ぐらいの画像データを持っています。

高密度画像を撮ることができる最新鋭のMRIを備えた検査機関で検査を行い、
(何でも2mmのガン細胞も確認できるらしい)
画像をCDーROMに焼き付けて一度自宅に持ち帰り、
担当医との外来診察日に改めてCDを持参するようにしているため、
CDが自宅にある間、
私は自分の画像データを自分のパソコンへとダビングしているのです。

ですから、いつでも自分の画像を確認し、添付送付することができます。

それは、18禁のグラビア写真集以上に、
私の何もかもが…、
そう、胃の中、子宮の中、果ては膀胱・大腸の中まで、
ありとあらゆるものが白日の下にさらけ出されてしまうという、
禁断のお宝画像!

へへへっ、お客さん、お安くしとくよ…。    ☆\(ーーメ ヤメナハレ
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2012/01/21 20:49
薬、効いているそうでよかったですね。
前から言いたくて、でも黙っていたんだけど、

……組織、見たいなぁ。すごく見たい。ウズウズ。    ☆\(ーーメ) ゴカイヲ マネクデショ

(つっこみ君お借りしました。)



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