Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


鎌倉アルプス往来記


鎌倉アルプスだけでは物足りないので、
前後にかなりヴァリエーションをつけたコースにしたのですが、
それでも、あらま、2時には自宅に帰り着いてしまいました。

朝6時30分に自宅を出発。
8時にはスタート地点のバス停に下車。
ここはまだ横浜です。

ここから「朝夷奈切り通し」と呼ばれる、
鎌倉幕府が開削した鎌倉へ入る旧道の峠を越えます。

この峠越えは、30分程度のものなので、楽勝。
でも、今日の天気は、雨は降らないけれど、どんよりとした曇り空。
切り通しの両側には古いお墓や穿って作った洞などが散見され、
鎌倉時代の落ち武者の亡霊が出てきそうな感じです。
だって、誰も人が通らない山道なんです…。

峠を抜けて鎌倉に入るところには小さな滝まであって、
なかなかいい道なんですが…。

その後、谷戸にある住宅地を抜け、
いよいよ十二社から鎌倉アルプスに入ります。
ですが、今回は通常の道ではなく、
番場ヶ谷という、吉沢川の沢沿いを上り詰めていく「秘境ルート」にしました。

このルートには十分な道標がありませんので、
自分で地図を見、地形を見て、
ルートの判断ができない人は使わないようにしましょう。
また、沢沿いに上っていくルートですから、下りに使うと足下が滑って危ないです。
もちろん、雨が降っている時はお勧めできません。

9時、番場ヶ谷ルートへと入ります。
まずは、住宅地の中を川沿いに上り詰め、
行き止まりの駐車場の脇から、山道に入ります。

岩を舐めるように流れる小さな滝のあるところまで、
道は明瞭についていますが、問題はこの舐め滝。
はい、水の流れる中、この小さな滝を上らねばなりません。

もっとも、水はくるぶしまでもないので、
雨さえ降っていなければ問題はないですが、
常に水に濡れている岩なので、コケですべります。

そして、この舐め滝の上で、小川の反対側を上っていく道と、
小川沿いに右岸(上流から見て右手の岸)を上り詰めていく道があります。

川沿いに上るルートなので、まず小川沿いの右岸を辿ってみましたが、
このルートは、すぐに支流と本流の分岐を過ぎ、支流を遡っていくようについています。

ですから、ここで引き返し、舐め滝の上で小川の反対側を上っていくルートを辿ります。
そして、このルートで正解でした。
なお、このルートには道標はありませんが、
ルートを示すピンクのテープや三角点などの目印が点在していますので
それを頼りに進みましょう。

このルートは、他にもこのような分岐がありますので、
常に地形や地図を見、目印を探しながら、自分でルートを判断する必要があります。

小さな川を渡ったり、渡り返したり、
川に降りて対岸に渡るために、ロープのあるところが一カ所。
淵のある場所を安全に通過するために、ロープのあるところが二カ所。
小さなはしご段や木橋もあります。
最後は、水量の少ない川の中を歩いて上っていくようになります。

そして、行く手を阻むのが、蜘蛛の巣。
つまり、ほとんど人が通らないルートなので、蜘蛛の巣が張っていて、
それで何度、顔面パックしてしまったことか…。

ですから、このルートは秘境ムード満点なのですが、
梅雨の季節から落葉の季節まではお勧めしません。
川の中、藪の中を進みますし、スズメバチも怖いからです。

 (女性一人でこんな人気のないルートを歩いていて、
  危なくないのかと思うかもしれませんが、いざという時は、
  山姥の正体を顕わにして、返り討ちにすればいいだけです。)

そして、水音がしなくなった斜面を登り切ると、
通称鎌倉アルプス、天園ハイキングコースの道に出ます。
道の合流点には何も標識がありません。

合流点を右に折れると、すぐ道標がありますから、
それに従って天園の休憩所へ。

天園の休憩所に、10時30分着。
ここにはトイレもあります。
休まず、そのまま天園ハイキングコースを建長寺の方に向かって進みます。

鎌倉アルプスとは言うものの、実はこの尾根沿いのコース、
鎌倉側は、山の裾野に寺院仏閣があるため、森が残っているのですが、
横浜側は、尾根道にゴルフコースや霊園が隣接してたり、
住宅地がすぐそこまで迫っていたりで、まったくもって味気ない道なのです。

雛壇飾りを前から見れば、「雅な姿に涙流るる」ってな感じですが、
裏をちょっと覗いてみれば、「あらま、値札が張り付いていた」ってな感じの場所。

なるべく横浜側は見ないようにして、山道を辿っていきます。
…といっても最高点159メートルですが…、

さて、この道を小一時間も歩けば、
鎌倉の名刹、建長寺へと下る分岐点・勝上山にたどり着きます。

…となにやら頂上付近が賑やか…、
おおっ~、地元の小学校一年生の遠足です。
先生が記念撮影を撮る時、
みんなのかけ声は、「はるのえんそく!」。

この山道は、私にとっては小さな段差なんですが、
この子たちにとっては大きな段差らしく、
「せんせい~、まだあるくの~」。

…と言いつつも、建長寺の方に降りていきました。

さて、私は明月院、そう、通称あじさい寺の方に向かいます。

コメントに続く。

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2012/03/08 13:05
PART2です。

次に向かうのは、六国見山。

…でも、勝上山から10分も歩かない内に、住宅街の真ん中に出ます。
そして、住宅街ほどハイキング泣かせのコースはありません。

山道は、目印や標識さえ見落とさなければ、一応一本道となって続いているのですが、
住宅街の道は、あちこちに張り巡らされているので始末に悪いのです。
しかも、様々な看板が立っているので、それが目眩ましとなって、
肝心の道案内を見落としてしまいがちです。

仕方ないので、地図とにらめっこしながら、道歩き。
「ここを曲がらなくてはいけないのかな」と思って歩いていると、
そこに道案内の標識を見つけて安堵するという歩き方になります。

明月院に通じる明月院通りに出、
六国見山への登山口を探しながら歩いていきましたが、
この登山口を示す道案内が小さくて、一度素通りしてしまいました。

地図を確認しながら歩いていたので、
「あれ、行き過ぎている?」とすぐに気がつきましたが、
勝上山方面から六国見山へ向かう登山口は、ちょっと見つけるのがむずかしいです。

鎌倉の山の斜面に建つ高級住宅街、
その間を上り詰めていく急な坂道や階段を地図を確認しながら辿り、
行き止まりになっている道の脇から六国見山への山道が始まります。
この入り口には、何の標識もありません。

この山道は途中いくつかの分岐があるのですが、
まっすぐ登り、いちばん踏まれている道を辿っていくと
六国見山頂上近くの仏塔に出て、すぐそばに展望台があります。
ここから見える風景の名前を示した360度の方角盤も立っています。

ちょうど12時。ベンチもあるところなので、ここで昼食。
ガスストーブとコンロを出してお湯を沸かし、コーヒーを煎れ、
朝、家の近くのコンビニで買ったサンドイッチを食べます。

何もわざわざ山の上でお湯を沸かさなくても、
保温水筒にコーヒーを入れてくれば荷物は軽くなるのですが、
野外でお湯を沸かして飲むと、なんかとても贅沢した気分になれるのです。

今日はどんよりと曇った天気なので、鎌倉の海は見えても、
そこには鈍い色がぼんやり広がっているだけなのですが、
天気が良くて桜の花が咲く季節に、ここから鎌倉の街と海を眺めると、
なかなかな風景でしょう。

さて、小一時間ほど休憩して、六国見山からJR北鎌倉駅へと降りていきます。
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2012/03/08 13:03
PART3です。

六国見山の展望台から、まずは西へ向かう道を辿ると、
すぐに南へ向かう山道が分かれています。

北鎌倉駅に向かうには、この道の方が近いので、
この道を降りていくと、新興住宅街の端に出ます。

またもや地図とにらめっこして、
「こっちでいいのよね」と思って歩いて行くと、
道案内の標識を見つけるという歩き方をしていきます。

新興住宅街から駅へと向かう階段を下りていくと、
今度は里山に沿って立ち並ぶ鎌倉の古い家々、
その間の細い路地を歩いて行くようになります。

所々の庭にはちょうど梅が咲いていて、いい感じの路地です。

鎌倉は、住んでみたい街として人気が高いのですが、
こういう古い町並みは、なかなか空きがありません。

そのため、新住民は新興住宅地や新築マンションに移り住んでくるのですが、
同時に、そこは鎌倉の里山や谷戸を開発することで拓けた場所なのです。

「鎌倉に住みたい」という人々の憧れや希望が、
結果的に鎌倉の自然と風景をやせ衰えさせてしまうという皮肉。
もう限界だと思うんですよね、鎌倉の住宅開発は…。

そうこうしている内にJR横須賀線の踏切に出て、
北鎌倉駅のホーム沿いの道を、
駅の改札に向かって歩くことになります。

先のブログでも触れた『ビブリア古書堂の事件手帖』、
そのビブリア古書堂はこの線路沿いの道にある設定となっていますが、
この道は細くて、自動車が入ってくることができるのは、
駅の端の方、改札近くの部分だけです。

でも、六国見山近くの学校から、
北鎌倉駅へと向かう高校生たちの姿は、
あの小説に描かれているとおり。

私も高校生たちと前後しながら、
改札へとゆるゆる歩いて行きましたとさ。

北鎌倉駅着は、13:00でした。

おしまい。



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