Nicotto Town


すべての命は水沫(みなわ)の夢


和伽の思い出

平成14年の春に、我が家は文鳥の雛シーちゃんを迎えました。
シーちゃんは、買ったお店のおじさんが見ても、驚くほど賢い文鳥でした。
私たち家族はこの可愛い雛文鳥を心から愛していたのですが、ある夜開いていた子供部屋の窓から侵入した野良猫に、誘拐されてしまいました。
その夜一晩、夜の道をシーちゃんを探してさまよいました。どこに居ても目線はシーちゃんを求め、泣きすぎて破れたまぶたからは血の涙が流れました。

見かねた小鳥屋さんが心当たりを探して手に入れてくれたのが生まれて二週間目の雛鳥「和伽」でした。

和伽がやってきたのが平成一四年六月十四日。
だから、彼の誕生日は六月一日。
和伽がやってきても、私たちは道端にシーちゃんを探さずにはいられませんでした。
そんな私たちの心を察したのか、ある日和伽は餌を食べなくなりました。
一日食べないと雛は死ぬ。
もう道端に目をやる余裕はなくなり、病院へ通ったり、餌を強制的に食べさせてもらうために小鳥屋さんに通ったり、それは綱渡りのような日々でした。
ようやく危機を脱した和伽。
乳母としての私はやっと肩の荷を下ろしました。
気が付けば、シーちゃんのことを考える時間がずっと少なくなり、和伽のおかげでペットロスから立ち直ったのだと気づきました。

さて、和伽は乳母の私を心から愛してくれました、ある日、文鳥に関心のない長男と鉢合わせする日まで…><

和伽(♂)は 長男んに恋をしました。ま、文鳥だから仕方ありません…。
二女のことも愛人(和伽は自分を人間だと思っている)だと 思っている模様。
で、乳母は捨てられました(T_T)

文鳥は、はっきりと好みが分かれます。
飼った文鳥の恋人になれるかどうかは、神のみぞ知るの領域。
だから、捨てられたって、いいんだぃ!
だって、和伽がいるだけで、人生は楽しかった!
可愛い和伽がさびしくないようにと、ほっぺ♀(2歳で虹の橋へ)、クルル♂(この子は、私を恋人に選びました^^v)チイク♀と仲間が増え、彼らと過ごす四季は笑いが絶えませんでした。

10歳の誕生日を目前に和伽は『血腫』と呼ばれる悪性腫瘍に罹りました。
お医者様から余命1週間以内の宣告を受け、それから3ヶ月生きました。
誰も知らない間に、鳥籠の底で冷たくなっていた和伽。

別れはどんな形でも、彼はきっと幸せだったと信じています。

そしていつかきっと、長男のそばに生まれ変わってくることでしょう。

愛する者を失うことを恐れるより、愛さずに生きることのほうがもっと悲しい。
だから、これからも私はいろんな子を愛していきます!





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