Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


安寿の「表銀座」始末記 その3


銀座銀座銀座 ♪
銀座銀座銀座 ♪
たそがれ~の銀座 ♪

…という古い歌謡曲を口ずさみながら、
ブログを書き連ねる夏の午後。

今日は午後から猛烈な雷雨だったので、
日がな一日、家の中でブログ書きをしております。

さて、銀座は銀座でも、北アルプスの「表銀座」
さぞかし、登山客で賑わっているのだろうと思いきや…

 … あれま … 閑散としてる …

もっとも安寿は、山ではいつも早寝早起き、早い出発。
朝の3時に起きて朝食を作り、
続いて荷作りを始め、
4時30分頃の夜明けとともに行動を開始するので、

 …安寿の前に人はなく、安寿の後ろに人は続く…  ☆\(ーーメ) エラソーに

前人未踏の境地を、束の間、味わっています。     ☆\(ーーメ) すぐ抜かれるクセに

実を言うと、
静かな山旅が好きなだけ、
しかも、朝の涼しい時間帯に距離を稼いでしまいたい、
次のテント場に早く着けば、それだけ良い場所にテントが張れるという
どこまでも世知がない魂胆が、
早朝出発の主たる理由なのですが…

ともかく歩き出してみて、気がついたこと。

北アルプス屈指の人気コースというのに、なしてこんなに人がいないの?
それはお昼になっても、午後になっても変わらないのでした。

なして、なして?

このコースが「表銀座」と呼ばれるのは、
確かにそれ相応の魅力があるからです。

燕岳(つばくろだけ)から大天井岳(おてんしょだけ)へと向かうルートは、
右手に槍ヶ岳を眺めながらの稜線散歩。
大天井岳の中腹で道を分け、西岳に向かう間も、
槍ヶ岳を深い谷の向こうに眺めながら歩いて行くことになります。

そして、西岳からは槍ヶ岳を正面に見据え、
槍ヶ岳から伸びる東鎌尾根をぐいぐいと登り詰めていくわけで、
快適かつ雄大な景色を眺めながら、
日本を代表する名山を登頂するという、
贅沢で、しかも達成感のあるルートなのです。

でも、思ったよりも、人が歩いていない。

 …ふ~~ん…

確かに今回ルートの下調べをした際、
気がついたことなのですが、
このコースは歩いて楽しく、景色は美しく、しかも登り甲斐のあるルートなのですが、
しかし、決して初心者向けのルートではありません。

大天井岳以降は、
細かい登下降が続いて、
結構疲れるルートですし、
西岳以降、槍ヶ岳までの間は、
垂直の鉄梯子や岩場をつたう鎖場が連続していて、
かなり緊張します。

最後は3000メートル付近の空気が薄い中、
石がゴロゴロしたルートを登り詰めていきますから、結構苦しい思いをします。
安寿も「ぜぇーぜぇー」と呼吸しながら登っておりました。

初めて山に登る人が、
いきなりこのルートを歩かされたりすると、
登山がトラウマになってしまうように思います。
「これはとんでもないところに来てしまった」と、
きっと、そう思うことでしょう。

でも、良いルートです。

さて、東鎌尾根を登り詰めていくと、
槍ヶ岳の穂先部分に対する通称「槍の肩」と言う場所、
槍ヶ岳山荘が建っている場所に到達します。

みんなここで重い荷物を下ろして、
身軽になって最後の穂先部分を登るのですが、
この槍ヶ岳山荘に到着してみると、

 …いるわいるわ、いったいどこからわいてきた、憎き人間共め…   ☆\(ーーメ)

今までの閑散とした山歩きが嘘のよう。

私は「富士山だけは登るまい」と
はなから決めてかかっていますが、
それは人間がうじゃうじゃと、
列をなして斜面を登っているからです。

北アルプスの「表銀座」を登る際も、
それを一番危惧していました。
このルートも、人がたくさん登っていて、
鉄梯子や鎖場の前後は、
通過待ちで渋滞しているんではないかと…。

ですから、「表銀座」は後回しにして、
多少きつくても、
人間の気配が少ない閑散とした山道を歩いていました。

 (ちなみに「裏銀座」と呼ばれるコースもあるのですが、
  そちらのルートは、もうかなり以前に走破してます)。

ですから、
この閑散とした「表銀座」は、
私にとっては願ったり叶ったり。
良い意味で「想定外」だったのでした。

でも、槍ヶ岳山荘についてみれば、この有り様。

  …そうか…、
  人間共の多くは、
  尾根伝いではなく、
  上高地から沢伝いに槍ヶ岳へと登り詰める
  通称「槍沢コース」を辿るのだな…。  

「槍沢コース」には、途中に鉄梯子や鎖場といった危険箇所がありません。
鉄梯子や鎖場はコースの最後、
重い荷物を槍ヶ岳山荘において「槍の穂先」に登る時だけです。

ただ、このルートは上高地から延々と18キロぐらいを歩かねばなりません。
最初は、梓川沿いの林道を進み、次第に傾斜が急になり、
最後は、槍沢の急斜面をジグザグに登り詰めていく。
ただひたすら登り、ただひたすら下ってくルートなのです。

そして、そのルートを…、

  おおお~…、アリの行列のように、人間共がぞろぞろ登ってくるわい。  ☆\(ーーメ)

そして、安寿は気がついたのでした。

  ああ~、そうか~、この登り方は富士山の登り方だあ~。

つまり、登山ブームと言われてますが、
その大部分は富士登山ブームであり、
富士山と同じような登り方ができる槍沢コースが、
富士山の次に登られているのではないでしょうか。

もっとも富士山は、富士山の斜面を延々とジグザグに登るのですが、
槍沢は、槍ヶ岳へと続く谷を登り詰めていくので、
閉ざされた空間から360度の展望が開ける高嶺に到着するという意味で、
景観の変化は、槍沢の方が大きいと思います。

ですが、ひたすら登り、ひたすら下るという登山の仕方は、富士山と同じです。

  ふ~ん、そういうことかあ~。

まあ、多くの人がそんな登り方をしてくれるのであれば、
変化に富んだ歩き方をしたい安寿にとっては好都合。

人気コースを外せば、
人の少ない静かな山旅を満喫できることができるわけで、
不都合なことはなにもありません。

  そんな登り方って、単調じゃないのかなあ~…

…と勝手なことをぼやきつつも、
槍ヶ岳山頂を往復後、
槍沢を上高地に向けて下山。

槍沢をぞろぞろ登ってくる登山者に
「がんばってね~、あと10分だよ~」と、
他人事のような励ましの言葉をかけて、
一目散に降りていく安寿がいたのでした。

ちなみに槍沢コースはあまりに長いので、
11時頃「槍の肩」を出発しても、
夕方までに上高地に到着することができません。

その日はコース途中にある横尾という場所、
穂高岳への登山口の分岐点でテント泊をしました。

本当はもっと手前の、
ババ平というところにテントを張る予定だったのですが、
予定時間よりも早く槍ヶ岳の頂上に登ることができたので、
もう少し先の横尾まで進むことにしたのです。

なぜって横尾まで行けば、ビールが買えるんだもん…   ☆\(ーーメ)

  あああ~、また、そのオチかい…

人間の煩悩って、つくづく浅ましいものだと思います…   ☆\(ーーメ) 煩悩退散     

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2012/08/07 20:43
>ぽよよんさん

このブログには直接写真を貼り付けることができないので残念です。

でも、山の写真を自分のブログにアップしている人は多いので、
それをどうか参考に眺めて下さいませ。

四王寺山って、どこにあるんだろう…。探してみようっと…。
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2012/08/07 20:31
>あくあさん

>今までで一番大変だったのはどこですか?

どこもそれなりに大変でした。

…という点から言えば、
今回のルートが記憶がまだ生々しいので、
一番大変だったような気がします。

特に3日目、
朝の4時半から動き出して、
午後4時半にテントを張るまで、
ずっと行動してました。
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2012/08/07 20:26
>紫音さん

>これかな…。

おそらく、それです。

>こういうところを20kgの荷物背負って登ったのですか…
>安寿さん、すごすぎるよ(^_^;)

いつも登りだしてから、後悔してます。 とほほ
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2012/08/07 04:45
「表銀座」始末記を興味深く楽しく
読まさせていただきました~(^O^)

写真もあわせて見ちゃうと登山がしたくなりました。

…といっても、
近所の四王寺山(遠足で登る山)ぐらいですが☆

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2012/08/07 00:26
垂直の鉄梯子・・・鎖場・・・。
安寿さんすごすぎる!
3000メートルだと空気も本当に薄いでしょうね。
それを荷物を担いで登るなんてどれほど大変か、
きっと私の想像以上だと思います。
でも苦労を上回る達成感や絶景なんでしょうね。
今までで一番大変だったのはどこですか?
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2012/08/06 23:17
友人とルート違うのですが、参考になると思って、
友人が昨年8月に北アルプスを縦走した写真を開いてみました。

垂直の鉄梯子とか、岩がゴロゴロしたルート…
これかな…。
写真ありますね。
よく撮ったものだと思います。

こういうところを20kgの荷物背負って登ったのですか…
安寿さん、すごすぎるよ(^_^;)



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