Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


ドイツでゲイジュツの秋


現在、こちらは夜の9時半。

私の部屋に、
ジャズピアニスト、キース・ジャレットの名盤
『ケルンコンサート』が流れています。

そして、ウォルシュ・チーズを肴に
リースリングの白ワインを飲み、

   ウォルシュ・チーズ、
   日本で買うと1000円ぐらいする「高級」チーズなので、
   貧乏性の安寿は絶対買わない類のチーズですが、
   こちらでは25ユーロ(だいたい250円)ぐらいなので、
   これ幸いと今のうちに食べています。
   とはいえ、1000円も出して食べるような
   高級食材ではないと思います。
   

その少し前まで、
この街の美術館「クンストハレ」で、ゲイジュツを鑑賞していました。

木曜日は夕方9時まで開館しているので、
ゆっくりと絵画を鑑賞できるのです。

この美術館は中世後期から現代美術まで幅広い作品を展示していて、
それゆえ広大な展示室を持ち、
とてもではありませんが、一日ですべて鑑賞できるものではありません。

ですので、今日はその一部だけ。

ピカソ、シャガール、マネ、ムンク、ダリ、…
こういった名前を聞いただけで、
この美術館の充実したコレクションがわかるかと思います。

そして、この絵画館の目玉、
カスパー・ダビッド・フリードリヒのコレクション…

風景画を得意とする画家ですが、この人の風景画は、
暗いドイツの秋や冬であるにも関わらず、
色彩が豊かで、したがって風景の輪郭がはっきりとし、
とても明るい印象を受けます。

これだけでも、ここを訪れる価値は十分にありますが、
私が感動したのは、
例えば今日の木曜日のように夜遅くまで開館している日に、
この美術館の中で、
美術評論のカルチャースクールが開催されていたりします。

参加者は、折りたたみ椅子を持ち、
講師が解説する絵画の前に座り、
講師の解説を聞きながら、さまざまな質問をし、
目の前の絵について、お互いの感想や意見を議論するのです。

それだけではありません。

なんと美術館の中にある大きめの展示室を使って、
ミニコンサートが行われていたのです。

しかも、そのコンサートの曲目が、
ムソグルスキーの「展覧会の絵」

もちろんフル・オーケストラではなく
ピアノと木琴&パーカッション向けにアレンジされた演奏でしたが、
実際の美術館で、
周囲の絵を眺めながら、
「展覧会の絵」を聞く贅沢。

こういう企画を立て、
実際に美術館の中で開催できてしまうところがすばらしい~。

もちろん、この演奏会への入場は別料金であり、
演奏会場になっている展示室に入場することはできませんでしたが、
しかし、この展示室は、他の展示室と区切られているわけではないので、
演奏されている音楽は、私たちの耳元まで流れてきます。

まさか「展覧会の絵」の聞きながら、
実際の絵画を、
それもかなりの名画を鑑賞できるとは思いませんでした。

今夜はなんかとても贅沢な夜を過ごしています。

ただ一つだけ残念だったのは、
私が見たかったパウル・クレーの絵が見当たらなかったこと。

おそらくパウル・クレーの絵は、
今日の演奏会場になっていた部屋に
展示されていたのではないかと思われます。

また、今日鑑賞した展示室は、
この美術館のごく一部でした。
ですので、これはもう一度、
そして今度は丸一日かけて、
この美術館を極め尽くす必要がありそうです。

ちなみに今日の入場料は、
学校の文化プログラムの一環なのでタダ。
普通に入場しても、10ユーロ(約1000円)、
私の場合、学生割引が使えるので、5ユーロです。

明日は、別の美術館を訪問する予定。
そして、土曜日は、港の再開発地区を中心に街歩き、
日曜日は、ユダヤ人強制収容所見学。
月曜日は、港巡りの観光船に乗船と、
ドイツでの最後の一週間は、
かなりのハード・スケジュールです。

もう最後の一週間だから、
宿題を忘れても何とかなりますし…  ☆\(ーーメ バカモン

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2012/11/24 17:00
芸術に対する考えかたが日本とは異なるようですね。
ドイツは芸術観賞、日本は芸術鑑賞って感じでしょうか。
私は楽しみたい派です^^

ドイツでの残りの日々を満喫してきてください・・お土産・・話でいいです^^;



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