Nicotto Town



冷 第一話 詩集

「あれ、なんだろ」 

図書の時間。
 あけぼの小の6年、日光は、部屋のすみになにかが落ちているのに気がついた。
 拾ってみると、それは鏡のついた詩集だった。
「こんな本あったっけ・・・」
 この小学校には鏡のついた本はなかった。
「まっいいか」
 おもしろ半分で開いてみると、一番最初に目に入ったのが、

          窓の向こうのそっくりさん
           あの子は私にこう言った
            初めましてお姉さん
           握手をしてくれないか?
             その手に触れた
              冷たかった
             頭痛が走って
              倒れてた
             起き上がったら
              あの子は中
             バイバイと言って
              立ち去った・・・

 題名は無い、黒い紙に白い文字で印刷されてある。
「あはは。なにこれ、おとぎ話?」
 そう思いながら、次のページをめくると、

         戻ってきたあの子は言った
          握手をくれてありがとう
          あなたは絶対戻れない
      鏡の双子の手を握るまで
            




        







#日記広場:自作小説

アバター
2013/01/08 07:27
特異な書き方
公募では跳ねられてしまうオリジナルなレトリック
こういう実験はニコットならではなですね
アバター
2012/12/09 17:18
不思議な始まり方ですね♪

リズムカルで、読みやすかったです^^



Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.