冷 第一話 詩集
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/08 00:07:32
「あれ、なんだろ」
図書の時間。
あけぼの小の6年、日光は、部屋のすみになにかが落ちているのに気がついた。
拾ってみると、それは鏡のついた詩集だった。
「こんな本あったっけ・・・」
この小学校には鏡のついた本はなかった。
「まっいいか」
おもしろ半分で開いてみると、一番最初に目に入ったのが、
窓の向こうのそっくりさん
あの子は私にこう言った
初めましてお姉さん
握手をしてくれないか?
その手に触れた
冷たかった
頭痛が走って
倒れてた
起き上がったら
あの子は中
バイバイと言って
立ち去った・・・
題名は無い、黒い紙に白い文字で印刷されてある。
「あはは。なにこれ、おとぎ話?」
そう思いながら、次のページをめくると、
戻ってきたあの子は言った
握手をくれてありがとう
あなたは絶対戻れない
鏡の双子の手を握るまで
公募では跳ねられてしまうオリジナルなレトリック
こういう実験はニコットならではなですね
リズムカルで、読みやすかったです^^