ジャンヌ・ラピュセル2
- カテゴリ:自作小説
- 2013/02/03 23:15:29
リルルは目を閉じた。それから下を向き、もう一度目の前の少女を見た。
少女の瞳は赤い瞳、それも六芒星の聖なる印…伝説の「ただ一人の聖女」と同じ刻印を持つ者が目の前にいる。
(これは何かの夢だ。人間信じたくない光景に出会うとこんな反応しかできないのか?)
「っき。君はあのジャネットなのか?」と、リルルはやっとのことで問いかける。
「あっ。リルルさん…大変でしたね。オークの群れに襲われて。私ここも大変なのわかります。でも私自分の村へ。レミン村へ帰りたいんです。お願いします。どうか…。」と、そこまで話すとジャネットは膝を地面についてそのまま前のめりに倒れていく。
リルルはあわててジャネットを支えた。(やれやれ気絶したのか?息はある。どうやら彼女が助けてくれたようだ。レミン村か。たしか森を抜けて西の街道を行けば辿り着けるな。そうか、この子はあの村から逃げて来たのか。だとしたらもう村はダメだろうなぁ。何か行きづらいけど…行くか。眠れる聖女様のためにも)