Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


安寿の極楽入院日記 その3 ☆\(ーーメ)


(前回より続く)

      ブスッ!  ぐえぇぇぇぇ~ …と、心の声。

      
        きっと包丁やナイフで刺される時って、
        こんな感じなんだろうな~。           ☆\(ーーメ) 悪趣味
        でも、人間の身体って結構頑丈で、
        簡単には突き刺さらない。
        結構、力が要るし、コツがいるように思う。  ☆\(ーーメ)

      …と、どこまでも他人事のような安寿。

      腹腔鏡がお腹の中に入ると、
      腹腔鏡を通して、まずは腹腔の中に、笑気ガスを入れる。


      ガスが入っていく…
      今頃、私のお腹は、妊婦かカエルのようになっていることだろう。

      ガスが入るに従って、次第に息苦しくなる。
      横隔膜が上に押し上げられるため、
      息が深く吸えなくなるからだ。

      肩で深呼吸をするように呼吸をするが、

         ふにゃ~

      …と、もうここでグロッキー状態。

      不思議なことだけど、
      腹腔にガスを入れると、なぜか肩が凝る。
      どうしてなんだろう。

      十分膨らんだところで、検査開始。
      頭の横のところにあるモニターにも、
      私のお腹の中が映し出される。

        自分のお腹の中を自分で眺めるだなんて、
        滅多に出来ることではありませんぞ。

      モニターを見て、すぐに一言、

         「不味そうなレバーですね」   ☆\(ーーメ)

      そう、
      腹腔鏡を通してモニターで見た私の肝臓は、
      明らかにデコボコの肝硬変。
      色鮮やかで、表面がつるんとした
      美味しそうなレバ刺しとは、似ても似つかない。   ☆\(ーーメ)

         「え? 安寿さん、どうしてわかるの? 
          ああ! モニター見てるのね。
          相変わらず、落ち着いているね。」

      そりゃ、3回目だもの、この検査。

      安寿「ちょっと期待外れだなあ。
          先生も、もう少し肝臓組織が、
          病理学的に改善していることを期待していたんでしょ?
          でも、白い繊維状の結節がしっかり確認できるし、
          何より全体的に凸凹しているから、
          見た目の診断は肝硬変ですよね。」

      と、手術台に乗ったまま、自分で自己診断を下す患者。

      医者「まあ、肝細胞を採取して検査してみないことには何とも言えないけど、
          見た目は肝硬変だね。」

      と、医者も同意。

      続けて、肝生検に入る。

      ベットを斜めに傾けて、身体の右側が上になるようにする。
      左側に支えがあるので、ずり落ちることはないけど、
      なんか不安定な態勢。

      肝生検の針を突き刺すところに、また麻酔注射。

         イテテテ…

      つまり、腹腔鏡で肝臓を前から眺めながら、
      脇腹の方から狙いを定めて生検針を突き刺して、
      肝臓の細胞を採るのだ。

      また大きく息を吸って、止めて、まずは腹腔の中に、ブスッ…

         ぐえぇぇぇぇ~   ☆\(ーーメ) しつこい

      そして、もう一回大きく息を吸って、止めて、今度は肝臓に、ブスッ…

         ぐえぇぇぇぇ~   ☆\(ーーメ) 何度もうるさい

      痛くはないけど、
      身体がぐいと押され、
      臓器に何かが突き刺さる感覚はある。

      身体の中に棒が押し込まれ、
      グリグリとかき回される感触は、
      そうそう味わえるものではございませんぞ。   ☆\(ーーメ)

      それを私は3回もやっているので、
      なんだか癖になりそう…  ☆\(ーーメ)


      身体を斜めに傾けているので、
      右側にあるモニターが見づらくなったけど、
      首を回してモニターを確認してみれば、

         おおお~、刺さってる、刺さってる。

         太い針が刺さった場所から出血している…  血まみれじゃ  ☆\(ーーメ)

      生検針は、
      臓器を突き刺す外側の針部分と、
      細胞を採取する内側の針部分の
      二重構造になっているらしく、
      モニターで見えている外側の部分は、結構太い。

      ところが医者が宣うに、

         「あれ? うまく採れていない」

      内側の採取針の中に肝臓の細胞がうまく収まっていなかったらしい。

         「安寿さん、もう一回刺してもいいかな?」

      このヤブ医者め! 
      他人の身体だと思いやがって、何度もぶすぶすと…

      肝生検の針は、刺してもすぐには抜かない。
      しばらく刺したままにしておいて、血を止めるのだ。

      だから、その間、
      内臓に何か刺さっている感覚、
      身体が串刺しにされている感じがある。

         生きたまま標本台に針で止められた昆虫の気分。

      5分ぐらいしてから針を抜き、別の場所に狙いを定めて…、ブスッ!

         ぐえぇぇぇぇ~   ☆\(ーーメ) もう食傷気味

      今度はうまく採れたみたい。
      また止血のため、5分ぐらい待ってから針を抜く。

      刺したところから出血が続いてないか確認して、

         「はい、それじゃあ終わりましょう」

          ふぇ~、助かった~♪

      生検針を抜き、斜めになっていたベットを元に戻し、
      腹腔鏡を介してお腹の中に入れたガスを抜く。

      ガスを抜く時、過去二回、私は過呼吸になっているので、
      今回はゆっくりと深呼吸。

         …ほっ、大丈夫だ。

      そして、腹腔鏡も抜き、切ったところを糸で縫い、
      手際よく後片付けが行われ、
      またストレッチャーの方にずりずりと移動して、

         「はい、ご苦労さま」

10:00 病棟のナースが迎えに来て、
              病室へ戻ったら、ちょうど10時。

      ストレッチャーから、またベッドにずりずり移動して、
      血圧、体温を測定し、
      喉が渇いたので、氷をもらって舐める。

         ふにゃ~  疲れた~  寝る~

      その後、1時間おきに出血していないか確かめるために、
      検温と血圧を測定。


      …と、まあ、今回の検査のメインであった肝生検は、こんな感じで行われる。

      だから、入院する必要があり、
      検査後、最低でも2日、
      今日が火曜日だから、
      早くても木曜日でないと退院させてもらえない。

(つづく)

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2013/04/13 23:40
>あがたさん

痛いと言うより、息苦しいのが辛いです。

内蔵の美しさというものがあったとしても、
私は内蔵美人ですらなかったのです。

とほほ…
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2013/04/13 23:35
>うとうとさん

生きている内に
胃カメラで胃の中を見ることはあっても、
自分のお腹の中を見ることはまずないと思うんですよね。

しかも、生の映像で。
(写真ももらったけど)

だから、これは是非とも見なくては。

そう思ってました。
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2013/04/10 17:24
痛かったですね。
お疲れ様でした。
でも自分で診断出来ちゃうってすごい。
体の中みてみたいわ、わたしも。
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2013/04/07 22:45
大変な検査ですね・・気絶しそう^^;
予防接種の注射でさえ、針を見ていられない私。
冷静にモニターを見ていられるなんて凄いです。



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