Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


常念山脈、極楽行~♪


前回、8月1日より5日までの山旅で、
まずまずの快晴と言えたのは、3日のみ。
最大の難所である大キレット越えは、
実は、上空に雲が立ち籠める中での通過。

大キレット越え前の夜半、
空を見上げた時は、
満天の星空だったので、
これは行けると思っていたのですが、
夜が明けてみればテント場はガスの中。

まあ、雨は降っていなかったので、
大キレットに足を踏み入れたのですが、
展望はほとんどありません。

ここは、かなり高度感がある難所なので、
見晴らしのない方が恐怖感を感じなくていいのかもしれませんが、
しかし、登山ルートを示す目印を辿るばかりで、
自分が今、どのあたりを歩いているのか、
皆目見当がつかないというのも味気ないもの。

無事、大キレットを通過して、
北穂高岳山頂の山小屋に到着したら、
パラパラと雨が降り出したので、
間一髪のところだったのでした。

なので前回は、無事に越えたとは言え、達成感は今一。

大キレット通過時の写真も、ほとんど撮っていませんでした。
それだけ緊張していたのかもしれませんが、
しかし、展望が利かず、
撮るべきものがほとんど見当たらなかったというのも事実。


それに引き換え、
今回8月12日から16日までの、
北アルプス常念山脈縦走は、快晴続き。

常念山脈は、
槍・穂高連峰とその間に位置する大キレットの、
ちょうど東側に平行して走る山脈なので、
前回、私が何処をどう歩いていたのか、
それを真横から確認することができます。

  「そうかあ~、あんなところを歩いていたんだ~」

…と言えるぐらいに、
今回の山旅は、
この夏一番と言えるぐらいの上天気。

8月14日の午前中なんて、雲一つない快晴。
遙かに遠い富士山まで見えましたもん。


その常念山脈ですが、
この山脈は、日本百名山の常念岳を中心に、
東に安曇野を見下ろし、
西に槍・穂高連峰を眺めるという展望の良さ。
しかも、前回の大キレット越えのような、
クサリやハシゴ、鉄杭を頼りに
難所を越えるようなことはほとんどないので、
北アルプス・ビギナー向けという位置づけの
登山ルートになっているのですが…


いえいえ、そこは北アルプス。
ビギナー向けとはいえ、決して楽なルートではありません。

2500m前後の縦走路上にある小さなピークを、
炎天下に何度も登り降り、また登り返していくのは、
ハッキリ言ってバテます。

また、今回は晴天続きだったので、
その危険はありませんでしたが、
比較的なだらかな縦走路というのは、
ガスに巻かれると、どこが登山ルートか見分けがつかず、
道に迷いやすいように思います。

特に常念岳から蝶ヶ岳に向かう下り。

登山ルートのマークがかすれているので、道に迷いやすいです。

常念岳から南へ向かう登山ルートは、
基本的に稜線上についていて、
稜線を外れて、斜面を降り、
岩峰を巻くかのように見える踏み跡は、
多くの場合、道を間違えています。

私も一回、間違えて降りてしまったのですが、
足元がザラザラと崩れていく道で、
しかも、途中ハイマツで道が途切れている。

「こりゃ、変だ」と思って立ち止まり、
周囲を見渡せば、
ちょうど反対側から
稜線上をこちらに歩いて来る人がいたので、
「あ、やっぱり、登山ルートは稜線に沿ってあるんだ」
と思って引き返し、
ある程度のところまで戻って、
周囲を見渡したら、
岩に書かれたペンキのかすれたマークを発見した次第。

  長野県警さま、周囲の山小屋&山岳会の皆さま、
  このルートはペンキの目印を再整備した方がいいように思います。

…と、まあ、こんな具合で、
登山は、どこでもナメてかかってはいけないのです。



でも、常念山脈のもう一つの魅力は、
遠くの槍・穂高連峰の眺めだけではなく、
足元の高原植物。

ここは、前回登った双六岳同様、
この時期、花の名山と言っても過言ではありません。

今回最初に登った燕岳は、
コマクサの群生地で有名ですが、
(とはいえ、この時期、少々萎れていましたが)
それ以外にも、燕岳から南下して、
大天井岳から常念岳へと向かう間の東天井岳南斜面や、
常念岳から南下したところにある2592mピークの南斜面。
そして、蝶ヶ岳から長塀山までの間にある通称「妖精の池」周辺など。

人の手が何一つ触れずとも、
自然の摂理だけで生まれたお花畑!

常念山脈は、遠近両用眼福の山旅なのです。


そして今回の山旅は、
更に一つ快楽の要素が加わってまして、
登山前日は、登山口にある中房温泉で入湯。

 (中房温泉は、秘湯としても名高いところ。
  硫黄臭は少ないですが、でも、味はしっかり温泉してます。
  それに中房温泉登山口の前にあるテント場は、
  地熱で地面が暖かく、
  標高1400mを越えるのに、
  この時期、寝袋要らずで眠れます。
  テント場の水場の一つは、
  地熱で温められているため、
  50℃前後のお湯が出てくるのです!

  駐車場の横では、温泉の噴気が漂っていて…)

そして最終日、
常念山脈から長塀山を経て徳沢に下山すれば、
徳澤ロッジにある外来入浴が利用できます!

ここは温泉ではないですし、
小さなお風呂ではありますが、
しかし、あああ~、
お風呂に入って汗を流せる山旅、
極楽じゃ~。

徳沢のテント場は草原で気持ちがよく、
上高地から物資を車で運び込むことができるため、
缶ビールも安い! (とはいえ、500mlで550円)。

今度は山なんか登らずに、
日がな一日、漫然と徳沢で過ごしたいと思う安寿だったのでした。




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