Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


異国の魔女が処刑されるのよ・・・(前世物語)


わたしは
とうとう自分の孤児院を持った。
ブルコーニュ公という公爵様のおかげで。
今はまだフランスとイギリスで
争っているけど

わたしに戦争を止める力は無い。
でもいいの。
わたしは子どもたちを育てるから。

わたしは
自分と同じ戦争の孤児たちを
りっぱに育ててみせるから。

町に行くと人だかりができている
誰かが
叫んでいる。
「神さまー、神さまー、神さまー」
ひと呼吸を置いてまた。
「神さまー、神さまー、神さまー」
ひとすじの
涙が頬を伝うのをわたしは感じた。

走った。
嘘よ。うそ。
周囲の声が耳に入る。
「フランスの魔女が叫んでいるわ」
嘘よ、うそ。死なないでジャンヌ・ラピュセル!
手を伸ばした。 手は届かない
こけた。顔に土がつく。
手は届かない…関係ない。

ジャンヌを助けたい。
叫び声は聞こえなくなった。
嘘。もう殺されたの?わたしはゆっくりと顔を上げて十字に吊るされているジャンヌを見上げた。
まだ生きてる。

どういうわけか、ジャンヌと目があった。
笑ってる。あっ、何か言ってる。
「すべてをゆだねます」

何を・・・何を言っているのあなた。

ダメよ、ダメ。ジャンヌー。

わたしは手を伸ばした。
届かない。火がついていく。

五分後、火は消されてジャンヌは服を剥がされて裸のまま放置された。もうジャンヌは息絶えた。

ジャンヌはフランスの魔女として殺された・・・

よく見ると、わたしの出資者であるブルコーニュ公もいるではないか。

「ブルコーニュ公!」

「・・・なぜあの女は笑ったのだ?」

「ブルコーニュ公?」

「・・・おお。君か。まだ町には慣れないと思うが、頼むよ。資金と資材は足りなければいくらでも言ってくれ。この事業はわたしの罪滅ぼしなんだ」

「・・・はい」

わたしは小切手帳を受け取った。

ジャンヌを殺した相手から。

まさかジャンヌを殺した相手がわたしの出資者だったなんて。

でも、動揺してた。ジャンヌの死ぬ姿を見て。

だってジャンヌ、笑っていた。とてもいい笑顔で。

それはわたしとの思い出を思い出したの?

あなたはもしかして死ぬ直前に神さまに出会ったの

「わたしがあなたを守るわ」

小さい頃、あなたはそんなことを言ってくれた?

え?

この声はジャンヌ?

あなた、聖霊になれたの。

魔女として処刑されたけど、あなたは聖霊に。

その事実を知るはわたしだけ。

「ほらね・・・あなたは聖女になれるわって言ったでしょ。あなたにはわたしの中の魔王を癒してくれる力があるって教えてあげたでしょ。ほらね・・・ほらね、ジャンヌ。涙が止まらないよ」

でもね・・・ジャンヌ。わたしはわたしを独りにした世界を恨んでいるの。

魔王がわたしの中にいるの。

魔王からわたしを守って、ジャンヌ。


時は経ち・・・わたしの孤児院はうまくいった。

従業員にもっとやさしくしていればよかった。

わたしは厳しすぎたのかもしれない。

それにわたしはイエス様を理解できていなかったのかもしれない。

教会に通う事を何度も勧めたけど。

通っていない人でも・・・高い信仰を持っている人がいる。

教会という神殿を心に持っている。

そんな風に感じた。

信仰心。

わたしは結局、遠ざけてきたこの魔王と一緒に死んで行くしかないのね。

世界に捨てられて、世界を恨んできたわたし。

だから自分と同じ境遇の子たちを育てた。

うまくはいった。

事業として。

後継者もできた。うまくやってくれている。

でも・・・わたしの魔王はずっと魔王のまま。

誰にもいやされず、誰にも理解されず・・・わたしと死んでいく。

ああ、ゲヘナに落ちるのだわ。

冥府の底の底。

わたしの行き先はコキュウトスかもしれない。

永遠なる氷地獄。

わたしはだって上級悪魔以上の魔王と一緒だもの。

それがわたしの最後の思考だった。

わたし、リリィの。

目を開けて周囲を見渡すと・・・わたしは魔王と一緒に光り輝く世界にいた。

そんなはずは・・・。

わたしはゲヘナへ落ちるはず・・・。

目の前にジャンヌがいた。

「リリィ、友達だから迎えにきたわ」

「ジャンヌ」

わたしはジャンヌを抱きしめた。ジャンヌとそのあとどれくらい話をしたのか覚えていない。

ただわたしはジャンヌに教えてもらい、日本という国へ生まれたいと、希望を出した。

そこへ生まれ変わる事はできるが、赤子としてすぐに殺されるとも説明された。

それに性別が男性性であるという事。

わたしは構わないと伝えた。

そうしてわたしの日本での輪廻転生が始まったのだ。


※続きません

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2014/09/15 23:02
…と、なんだかコメントが堅くなってしまったかも。

なにはともあれ、リルルさんの書く文章をいつも楽しみに読ませて頂いてます。
ありがとう(。◠‿◠。)
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2014/09/15 23:00
わたしはリルルさんの感じたことを否定するつもりはないのです。
だって誰も何がどう正しいのかなんて分からないのですから。
だからリルルさんが前世と言うならそうなのでしょう。
わたしは頭が堅くて、見えないものを見ようとする力が無い。
感覚的な物事を受け入れられないのです。
そういう意味でわたしは視野が狭いのでしょう。
リルルさん、わたしの閉じた目をこじ開けてくれてありがとうございます。


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2014/09/15 22:45
黒蜜さんへ

 すなおにコメントをもらった事を嬉しく思います。ありがとう。
 コメントに関してはボクもその通りとしか答えられません。

 映画、歴史書・・・前世というよりは・・・リリィという女性の遠い記憶を一緒に楽しんだのだと、解釈しています。

 あい
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2014/09/14 23:46
人という生き物が死ぬことには意味は特にないと思っています。
意味は、あとからつけられるもの。
つまりこの世に残された人がその人の死を意味づけるのです。
残された人の後悔や怒りが大きければ大きいほど、
その死が人々に波及する影響力が大きくなります。
人の個々の死自体は恐ろしく儚く小さいもの。
でもジャンヌダルクはその衝撃的な死をもって自身の意思を後世に伝えることができたのです。
彼女個人の幸せを考えれば悲しいことだけど、
それが無ければ、わたしたちは彼女の人生を知ることができなかった。
私は小さい頃にTVで見たジャンヌダルクが燃えるシーンが忘れられません。
彼女の想いが神様に届いたのかどうか、分かりませんが、
少なくとも私達には届いた、ような気がします。
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2014/09/13 00:45

恵海さんへ

ジャンヌは友人です。ボクにはその事しかわかりません。

輪廻転生の真実は死んでみないと分からない・・・。

自分がなぜ部分的にアカシックレコードを読むことを許可されているのかも

死んでみなければわからない。

だから・・・ボクはこのことに関しては・・・あまり深く考えないようにしています。

心理学で何とかできるモノでもないし、体験は体験であり、記憶は記憶なので。

ただ強くつながっていると、感じていただきうれしく思います。

ありがとう
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2014/09/12 12:37
こんにちは^^

ジャンヌは、何度も何度も、登場してくるね。
リルルさんにとって、大切なソウルメイト、もしくは、あなた自身なのかな?
よくわからないけれど、とても強く強く繋がっているのを感じます。

わたしは、ジャンヌ自身が正しかったのか、どうか、よくわかりません。
でも、天から、同じような声を聞きました。
でも・・・「わたしはジャンヌ・ダルクではない」としか、言えなかった。
何とかして救いたい人々がいても、戦うこと、争うことで問題は解決はしないよね。

昔も今も、少しも変わりなく、人は殺し合い、傷つけあっている。
文明が、どれだけ進化しようと、それは、必ずしも人を幸せには、しない。
ジャンヌ・ダルクが生きていた時代と、少しも変わりないように思えます。
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2014/09/11 22:15
さっき、読ませていただきました♪
ボクも、ジャンヌ・ダルクの物語好きです、というか、悲しいお話ですよねww
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2014/09/10 08:56
リルルさん、おはよーです(*^▽^*)

何だか、最近疲れていたんですが、これ読んで、面白いというか、魂が、私に、元気出せ!頑張れ!と
叫んでいます(*´▽`*)

私も輪廻を信じていますので、自分の過去世にも興味はあるのですが、全く分からないのが現状です。

でも、いつも思う事は、出会う人すべてが繋がっていて、きっと前世で関わりのあった人だと思うんです。

しかも、リルルさんも、過去世で、友人だった人とニコタでも出会っていると書いてらっしゃる。
朝から、嬉しくなりテンション上がります( `ー´)ノ

上の文字は、意味深くとらえることも多いですが、ただ、朝から、この文章読んで良かったです。

ありがとう。感謝です。
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2014/09/10 00:30
この物語というか、詩はボクの600年前の前世の記憶をもとに書いています。

ちなみにジャンヌの処刑にブルコーニュ公は本当にいました。

ブルコーニュ公が主催だったはずです。(ウィキペディア)

そしてブルコーニュ公はジャンヌの処刑で良心を痛め、のちのシャルル7世との和平を結ぶのです。

このことを発見したのは時の皇帝となったナポレオンです。

ナポレオンのおかげで、ジャンヌ・ダルクは一気にフランスを本当に救ったヒーローとして語り継がれるようになったのです。

そのあと、バチカンがナチスに味方をしたことをフランスに許してもらう口実に、バチカンはジャンヌ・ダルクを聖女として認定してくれたのです。実に500年の歳月が過ぎた後でした。

ただ・・・ボクが誇りに思うのは・・・ジャンヌ・ダルクが、死んだ直後から聖霊、聖女として知っていたことです。そう、友人として。

ジャンヌ・ダルクにはもう二人女性の友人がいます。その女性もまたジャンヌの力で、日本に生まれているとボクは信じています。

そしてその女性はこのニコタにいると。

かつ、ボクはすでにその女性たちと友人、知り合いとしてニコタでお付き合いしていると。

確信しています。

そう、ボクの魂が教えてくれているのです。

あい



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