Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


どうして私の邪魔をするの?


「そこをどいて」
「どかないわ」
「アレフと私をくっつけたくないのね」
「そうじゃないわ。そうじゃないけど・・・」
「それ以外にどんな理由があって、今、リーザの邪魔をしているって言うのよ」
「あなたの命に関わる事なのよ」
「リーザの命?いくら親友であるマリアと言えど、言っていい冗談と悪い冗談があるでしょ」
「リーザ、私はもともと冗談なんて言う人間じゃないってよくわかるでしょ」
「・・・それは・・・うん。」
「ほんとにあなたの命に関わる事なの」
「わかった、わかったから・・・何。話して」
「悪魔がこの渓谷に迫っているの」
「悪魔が?」
「そう。そう聞いたの」
「マリア、あなた・・・頭でも打ったの?大丈夫」
「嘘じゃないわ。ねえ、この渓谷の空気の淀みを感じない?何かおかしいって思わない。」
「・・・別に。いつもと変わらないと」
「リーザ、とにかくここから逃げよう」
「落ち着いてマリア」
「何を落ち着くのよ」
「悪魔なんて来ないわよ」
「でも、リーザ」
「ほら、見て。後ろから歩いて来るのは・・・黒いローブを身にまとったただ1人の老婆よ」
「え?後ろから?後ろにはレティしかいないよ」
「・・・え?あっ、ごめん。リーザの後ろ。そう、リーザの後ろだから、マリアにとっては前かな」
「・・・そんな老婆、私には見えないよ。リーザ、何を言っているの?どうしちゃったの?」
「うそ!」
「ほんとよ。だから早く逃げよう。老婆はどこにいるの?もうすぐ近くまで来ているの?」
「・・・」
「リーザ、返事をして」
「飲み込まれたわ」と、レティは言う。
「そんな」と、マリアは地面に膝をつく。

 リーザは消えていた。

 一体どこへ消えてしまったのか。

 




月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.