ベリルとシャリル4
- カテゴリ:自作小説
- 2016/03/30 22:42:32
緑の頭巾を被り直し、ドゥナッサは「くっく」と、笑う。
頬に3本爪の傷がある暗殺者だ。
その後ろからは赤いローブを着ていてフードで顔を隠した男が現れる。「何だ、もう酔っているのか?」と、赤いローブの男、バアルは言う。
「これが酔わずにいられるか。くっく」と、ドゥナッサは笑う。
「それぐらいにしておけ、ドゥナッサ」と、紫のローブを着た骸骨の魔道士は言う。目の奥には赤い灯だけがある。アンデットの姿をした魔道士にしてネクロマンサー、デアトリクスと呼ばれる者。
背中に白い翼を持つパトス「それでも明日は楽しみに違いないわ。だってそうでしょう。あのラスクの馬鹿をぎゃふんと言わせる事ができるのだから」と、パトスも笑い出す。四人は自分たちの手に入れた伝説の法具、End of Firstの絶大な力に酔っていた。魔王クラスですら、光の矢で吸収してしまう。どんな化物であっても必ず当たる。当たれば砂に変えて破壊する。そんな最強の法具を手にしたのだ。ただ5人の生命エネルギーを使用するので切り札でもある。
「・・・準備は出来ているんだろうな」
それは男の声だった。ドゥナッサ、バアル、デアトリクス、パトスの4人は息を合わせたかのようにピタリと黙りこみ、声の主を見た。
5人のリーダーでもあり、魔法による加護を受けた金の全身鎧を来ているアレスは4人の顔を見渡す。
「この廃墟にお客さんが来た・・・10歳ぐらいの少年と5歳ぐらいの少女だ。何故迷いこんだのかは知らん。だが、法具を試す相手にぐらいなるだろう」と、アレスは言う。
アレスは後ろを向いて、歩き出す。4人もそれに続く。
ベリルは辺りを見渡す。「どこだここ?どうしてボクはここに?」と、質問をするもシャリルも首を振っている。
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R18指定ぐらいだと思っています。暴力、グロテスクな描写もありますのでご了承ください。