【短編】風邪
- カテゴリ:自作小説
- 2017/02/05 14:15:11
「まったく…お前…何やってんだよ」
「ぅぅっ……」
風邪引いてしまいました。
ダイエットしようとして、思いっきり汗かいていて、そのまま風邪ひきました。
現在、39℃、足腰立たず、病院にも行けずに、ベッドで唸っていると、修平さんが来てくれました。
「おーい、いるかーって……うん?…」
「ぅぅっ……」
呼び鈴を鳴らしても、私が出ないので、合い鍵で入ってきてくれた。
「えっと…風邪?…」
「っ…」
「あー…とりあえずやばいってのはわかった…」
熱が高すぎて、うなずくことしかできない私。
その様子を見て修平さんは納得してくれた。
氷枕やスポーツドリンク、自分で用意したくても用意できなかったものを用意してくれて、少しずつ楽になってきた。
「病院…行ってないよな?」
「はい…」
「だよなー、でも…もう少し熱下がらないと動けねぇか…」
「今の状態だときついです…」
熱そのものというよりは、身体の節々が痛くて動けなかった。
「そっか…なら…今日俺、泊まるわ」
「え?」
「病院も行けねぇような状態で、1人にも出来ねえしな、明日、有給とって、病院連れてってやるよ」
「で、でも…申し訳ないです…」
気持ちは嬉しい…でも…。
自分の健康管理が出来ていないばっかりに修平さんの貴重な休みを使わせてしまうというのは、すごく申し訳ない。
「お前な…人のこと気にしてる場合か。いいから治すことだけ考えてろ,
いいな?」
「は、はい…」
「よし」
修平さんの有無を言わせない態度に押し切られてしまった。
しかし、この後、さらに動揺しそうな事態が待っていたのである。
「じゃあ、身体拭くぞ」
「え…」
「え、じゃねぇよ。そんだけ汗かいてて、そのままってわけにもいかねえだろ。熱があるなら風呂は危ねぇし、シャワーだと悪化しかねねぇしな…」
「ぁ…」
確かに、今まで熱で気づかなかったが、パジャマも下着も大量の汗で湿っていた。
汗が引き始め、かずかに冷たさも感じる。
でも…恥ずかしいっ…。
「じ、自分でしますっ…」
「お前…何恥ずかしがってんだよ…病人には何もしねぇよ…だまってじっとしてろ」
「ぅ…はい…」
修平さんに呆れたような顔をされて、自分だけ変に意識していたことが余計に恥ずかしかった。
結局、着せ替え人形のように着替えまですべて、なすがままにされてしまった。
「ううっ…」
私がこんなに恥ずかしいのに…修平さんいつもと駆らないんだもんなぁ…。
ちょっと悔しい気持ちでベッドで寝ていると、いい匂いがしてきた。
「まだ拗ねてんのかー?雑炊作ったけど、食えそうか?」
「あ、はい…」
匂いのした方に目をやると、修平さんが小さい土鍋と食器を運んできてくれた。
身体を起こすのを手伝ってもらって、雑炊を受け取る。
「ぁ…卵…」
「お前、好きだもんな」
「ありがとうございます…美味しい…」
「お前…俺は彼氏なんだから、もっと頼れよ…あんまり心配させんな…っ
……」
「は、はい…っ…」
ゆっくりと味わっているといきなり口をキスで塞がれた。
今日のキスは…いつもより…優しかった…。
END
あとがき
こんにちは。
暫く更新してませんでした;;
すみません;;
今回は看病ネタです。
こんな看病してほしいな~と思って書きました。
感想やリクエストなど伝言板記事にいただけたら、泣いて喜びます。