作家の加門七海さんが、あるパーティーで
日本語の達者な某国のサイキッカー（超能力者）と逢ったところ
彼はブルーの瞳で加門さんの顔をじっと見つめると笑顔で訊いてきました。
「猫います？」
「は、はい」
「やはり。　猫と暮らしてる人は、私、わかるんです」
「へえ。　なぜですか？わかるのは、猫だけですか？」
「そうです。猫は人を選んで来ますからね。人が猫を選ぶんじゃなくて
　猫が人を選ぶんですよ」
「ああ、その感じは理解できます」
「そうでしょう。だから私はね、猫に選ばれる人がわかるんですよ」

猫談義はさらに続きます。
「猫はすごい生き物ですよ。どんな人間も魂の位では猫には敵わないんですよ。
　彼らはよく寝てるでしょ。あれはね深い瞑想に入っているんです。
　だから、猫の徳が高くなるのは当たり前のことなんですよ」
なのだそうで　(^_^;)
「では、そういう徳の高い生き物に、人が奉仕するのは当然ですね」
「もちろんですよ。あはは」
「うふふふ」・・・・・



加門七海さんは、怖い話やエッセーを書かれる作家さんで
いわゆる「見える人」です。
そして自称「猫バカ」でもあります。
その加門七海さんが仔猫を拾って、その後の猫との1年を綴った本が
『猫怪々』です。


加門さんは、猫を飼うにあたって
野良猫に優しい土地かどうかも見極めて
ペット可のマンションに引っ越します。
そうして、
・落ちている哀れな子猫を拾う
・ペットショップで半端に育ってしまった、先行き不安の猫を引き取る
といった縁ができるのを待ちます。

そして半年後、掌サイズのぐったりして動かない仔猫を拾うのです。
もちろん、加門さんのことなので偶然とは思えないような不思議な縁があります。

病院に連れて行ったところ、仔猫は女の子で生後2ヶ月弱くらい。
この時はウィルス性の風邪だったけれど、血液検査の結果
猫白血病の陽性反応が出てしまいます。
他にもいくつかのトラブルを抱えた仔猫は
無事に育つのか大変な不安があるのですが
「のの」と名付けられ、加門さんとの日々が始まります。


なにしろ「見える人」なのでたいへんです。
仔猫に関連して、いろいろヘンなものが見えちゃいます。
病の原因が視覚化したのか、仔猫の背中から巨大なバッタのような
化け物が立ち上がり、加門さんはそれを掴みとったり。
身体から草が生えてくるのをせっせと抜いたり。
気功師やヒーラーや霊能者の力も借りれば
強力な魔よけの聖獣の絵の掛け軸も登場します。


ある日、仔猫をキャリーバッグに入れて病院に行こうと
マンションの入り口を開けると、真ん前に仔猫にそっくりの雄猫が
座っています。

「お父さん！？　お父さんですよね！あなたの娘ですっ」
加門さんは思わず叫びますｗｗ
「こいつはお前に預けたぞ」
と告げに来たのだと加門さんは思うのでした。


動物病院の待合室では猫好き同士で話がはずみます。
自宅に47匹も猫がいるという女性、さらにその友達は
常時100匹以上いて家二軒を猫に明け渡してるのだとか。
彼女は加門さんと仔猫の話を聞いて
「あなた、絶対いいことあるわよ」といいます。
猫を助けたりするといいことがあるのだそうです。
逆に虐めたりすると、とんでもないことになるようです(||ﾟДﾟ)



ののちゃんは、たくさん話しかけたおかげで
言葉をたくさん覚えてるらしいです。

あと、ペットの声を聞く方法
というのがあって
動物が落ち着いてるときを見計らって、その前に静かに座り
瞑想するような気持ちで相手とじっと視線をあわせて
訊きたいことを心で問うと答えが届く。

加門さんはこれを何かで読んで
ものは試しとやってみたところ
「あそぼうよ！」
甲高くはしゃいだ子供の声が頭に届いたそうで
＞いやあ、本当に聞こえるとは思わなかったなあ
と書かれています＾＾



この世に猫がいる限り、この世は不思議に満ちている。

のだそうです(´▽`)