Nicotto Town


エネルギーフルパワー


映画『セッション』

セッション / デミアン・チャゼル


映画セッションをやっと観た。自分「は」感動した。
というのも、すでに観た友達の間で肯定派と否定派に評価が分かれていたからだ。
否定派の意見としてはこの映画はスポ根物の焼き回しで、どうもパワハラ行為を
正当化しているように感じたらしい。

ジャズでパワハラといえば、日野さんの一件を思い出してなんとも肯定し難い。
なぜそう感じるかというと、自分は第三者だからだと思った。
ニュースで中学生を殴る大人を見たら誰だって中学生に同情する。
これを鑑みるにこの映画を肯定的人と否定的な人の違いが見える。

この映画を肯定的に観れる人は、主人公と似たような意識や世界の見方を
している人、つまり主人公に自分を完全に投影できる人だと思う。

この映画は一見「生徒VS教師」に見えるが、実は「生徒VS生徒自身」を描いた
作品だったと言える。教師の叱責に生徒がただ耐えるということではなく、
自分が求めたプレッシャーとどう向き合うべきかがこの作品の本題だと思う。
「生徒VS教師」という図式で受け取ってしまうと、否定派の友達がいう通り、
生徒がひたすら罵倒されている不愉快な映画に感じてしまう。

日野さんが中学生に向けた手は、その裏にそれまでの練習期間で育まれた、
相互理解と信頼関係があった上で向けられた訳であって、
ニュースでクローズアップされた映像とは意味合いが当然違って来る。

鉄拳制裁は肯定できないけど、それも殴られた受け手がどうとるかによるし、
少なくとも周囲の第三者がどうこう口出しする筋合いはないんだなと思った。
もしその叱責に納得行かなかったり耐えきれなければ、その教師から離れれば
いいし、世間に訴えるのも全く間違いではない。

自分もとてもこの映画ほどではないけど、浪人中毎日必死に作ったものを
ボロクソに言われていたから主人公の姿勢はかなり響いたし、
ボロクソに言われてよかったと思った。





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