Nicotto Town


エネルギーフルパワー


#007 ロボットにおけるUXデザイン(後編)

3. 人と体験を共有できるロボット 


自分は「人と体験を共有できるロボット」が今後一番必要になっ
てくると思う。 しかし、ロボットと一緒にスキーに行って同じ冬
休みの思い出を共有する程度の「共有」ではない。 

かなり極端な例だが、
ゲレンデを滑りながらシュプールを描いた時の両足の感覚、
全身に風を受けた時に感じる爽快感、 
リフトから上手に降りれずお尻をぶつけた時の痛み
そして滑り疲れて宿までスキー板とストックを担いで帰る、
満足を含んだヘトヘト感まで「共有」したい。
というのが自分の理想のロボットだ。 

つまり、スキーウェアをロボットにすればいいわけだ。 もう少し
説明すると、  感覚を常に共有できる「パワードスーツ」のような
「着る」ロボットこそ自分の理想像だ。 

パワードスーツとは、 主に人体に装着して電力によって人間の動
作補助を行う装置のことを指す。 現在では重い荷物を持ち上げた
り、義手・義足など、 肉体労働の現場やハンデキャップを持った
人たちが主に使用しているが、 将来的に、世代・年齢問わずに人
々が専用のスーツを所用し、 通勤などの日常生活で使用する日が
来ると思う。   スーツのアシストによって時速15㎞でジョギング
れば、  もう満員電車にすし詰めになることなく、  朝日と外の
空気全身に受けながらジョギングという夢の通勤が実現する。 

自分は未来のインフラはどんどんパブリックからパーソナルなも
のになっていくと考えている。   先ほど、 パワードスーツを個人
が所有する未来が来ると予想したが、 流れとして、まずは電車や
バスが廃止になり、 次に乗用車は1人乗りの小型ビークルになり、
最後は人々がそれぞれ「着る」パワードスーツに移行していくの
と思う。 

パワードスーツによる共有を、先程のスキーの例に当てはめると 

ゲレンデで滑った時の快感 
    ・・・一時的にアシストを弱め、身体が感じる快感を最大限引き出す。
リフトにお尻をぶつけた痛み
    ・・・「痛み」を記録し、次回からリフトに乗る時の姿勢を修正する。 
満足感を含んだヘトヘト感 
    ・・・動作をアシストし、肉体的疲労を緩和し、精神に余裕ができる。

 というような形になる。

人とロボット(パワードスーツ)の経験の共有に相互性が生まれる。
パーソナリティーロボットは会話などしなくてもいい、長年使い続
けた道具が自然と手に馴染んでいくように、 持ち主、経験を記録し
学習し、補助するだけ。これが今現在で自分が考える「人とロボッ
トの付き合い方」だ。 

あくまでトリガーとなるのは人の動作でそこに生まれる経験を共有
しながらロボットはアシストをする。 ロボットに完全依存すること
なく、ロボット技術の恩恵を自らの経験としてフィードバックする
ことができる。 

これこそがパーソナルロボットにおけるUXデザインの究極だと思う。






Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.